膨張し続ける「キットカット」のマーケティング

2009.02.07

営業・マーケティング

膨張し続ける「キットカット」のマーケティング

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

バレンタイン商戦真っ盛りの店頭で、強い存在感を示している商品がある。キットカット。フィリップ・コトラーも賞賛した、その独自の戦略を見てみよう。

バレンタインコーナーの横で販売されている「キットメール」。受験生への応援メッセージを記したキットカットがそのまま郵便で送れるというパッケージである。今年の「キットサクラサクよ。」キャンペーンの目玉的商品といっていいだろう。今まで、受験生に手渡しされることが多かったキットカットを、離れた人からでも届けられる。メッセージも送れるという、画期的な商品だ。
http://www.breaktown.com/09sakura/

マーケティングの大家、フィリップ・コトラーが自著に取り上げ話題にもなった「受験キャンペーン」。その内容と成功のヒミツに関しては、ネスレコンフェクショナリーの高岡社長の講演記事と、担当クリエイターである関橋英作氏のコラムで、当事者の分析を確認していただきたい。
<「我々のマーケティングは宣伝,広告から離れることから始まった」--ネスレコンフェクショナリーの高岡社長 >
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080617/308431/
<あのフィリップ・コトラーが、キットカット受験キャンペーンを取り上げる意味>
http://business.nikkeibp.co.jp/article/nmg/20080827/169009/?P=1

上記の2つの記事で成功要因とされているのが、マス的アプローチから離れてターゲットを見極め、ターゲットが求める価値を提供したということだ。そのアプローチは受験キャンペーンだけではなく、キットカットというブランドの力の源泉となっている。それはバレンタイン商戦に参戦している商品にもしっかり活かされているようだ。
<女子中高生の声を反映して開発された「キットカット キット、想いとどく。」は2つに“はんぶんこ”して、パッケージ中面のメッセージ欄にメッセージを書いて渡すことができます。>
http://www.breaktown.com/omoitodoku/
何という絶妙なターゲット設定とニーズの拾い方であろうか。「本命」には手作りの風習が、中高生女子には根強いという。10代向けの雑誌にはこの時期、手作りチョコ特集が花盛りだ。「意気込んだ手作りはちょっと恥ずかしい。市販のチョコなら、軽い気持ちで伝えられるかも。でも、特別な思いは伝えたい」。そんな微妙なオトメ心とターゲットを見極めた戦略なのではないだろうか。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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