日本初:ヨセミテがネット公共サービスに取り組むワケ(津田全泰)2

2009.01.20

開発秘話

日本初:ヨセミテがネット公共サービスに取り組むワケ(津田全泰)2

INSIGHT NOW! 編集部
インサイトナウ株式会社

ありそうでなかったのが公共サービスでのネット活用。法や規制があるため自由競争のメカニズムが働きにくい分野で、あえて勝負を賭けるのがヨセミテだ。旅行者のための画期的なサービスサイト『フォートラベル』を立ち上げ、新たなステップに踏み出す津田全泰社長のビジョンに迫る。

言われてみれば、その通り。医療系では富裕層の医者をターゲットとしたネットサービスはあるものの、患者サイドのニーズをすくいあげるサービスはほとんどない。介護しかり、教育も似たような状況だ。

「一方でエンターテイメントやビジネスの分野なんて明らかに過当競争でしょう。その理由はよくわかるんです。たぶんやっていて楽しいし、お金もそれなりに動くことがわかってる。ところが公共サービスは自由競争じゃない。消費者が税金でお金を国に預けて、国が政策に基づいて還元していきますよね。法や規制の制約が厳しくかかる。勢い競争が起こりにくい」

競争がないと人は、どうしても易きに流れ、流れは淀む。ユーザー視点がなおざりにされる恐れがある。不利な状況に置かれているユーザーに力を与えるにはどうすればいいか。そこでネットの出番となる。

「ユーザーサイドのニーズは必ずあることがわかった。にも関わらずいろんなハードルがあるから、ユーザーをサポートするプレイヤーが出てこない。すごいチャンスだと思いました」

幸い津田氏には資金力がある。自己資金でビジネスを立ち上げれば、長期的な視点で展開できるだろう。

「しかも僕たちにはITスキルがある。フォートラベル、楽天で培ってきたノウハウもある。チャレンジするかいがあると思いました」

2007年6月、フォートラベルを退社した津田氏は、次の展開プランを半年かけて練り上げる。その過程で見えてきたのが、新しいビジネスを組み上げるのに欠けているピースだ。

「僕はサービス創りがとことん好きでそこに打ち込みたい。同時に組織創りまで一人でやるとなると効率が落ちる。そこで出逢ったのが塚田なんです。彼はミクシィに創業期から関わってきて、ちょうど同じタイミングで新しいことをやりたいと考えていた。そして塚田が何より得意なのが組織を創ることでした」

ベストパートナーを得た津田氏は2008年1月、ヨセミテを起業する。

▲インタビュー風景
代表 津田全泰氏(真ん中)、副社長 塚田寛一氏(右側)
インタビュアー竹林篤実氏(左側)

⇒次回「闘病者を支援する『オンライフ』」へ続く(全四回)


◇インタビュー:竹林篤実/川村真理 ◇構成:竹林篤実
◇フォトグラファー:村山裕章 ◇撮影協力:㈱オンボード 

続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

INSIGHT NOW! 編集部

インサイトナウ株式会社

INSIGHTNOW!運営事務局/編集部です。

フォロー フォローしてINSIGHT NOW! 編集部の新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。