企業の盛衰は人が制す!

2009.01.17

経営・マネジメント

企業の盛衰は人が制す!

野町 直弘
株式会社クニエ プリンシパル

人というのは先が見えない世の中で唯一先が見える経営資源です。

バブル崩壊後の90年代の中頃だったと思いますが、
雑誌の取材で当時の東レ株式会社の前田社長のインタビュー記事を読んで
たいへん感心したことを覚えています。

そのころはバブル崩壊、急激な円高により国内製造業は不況のどん底でした。
多くの企業で新卒採用を絞る中
「東レは毎年200人程度の安定的な採用を続ける」という話でした。
東レは過去の繊維不況の時期に採用を絞ったため
バブル期には平均年齢が40才を超えていたのが、
結果的に現在はそれが35才になったそうです。

この話には多くの示唆が含まれています。

昨今の百年に一回という大不況化、採用を絞る、
もっと言えば内定取り消しをする企業もあるようです。

終身雇用が主流になっている日本企業にとっては
社員の構造を急に変えることは困難です。
また今回のような不況期には安定的な採用が足かせになることも確かです。
他方安定的な成長や繁栄を求めるのであれば、
定期的な採用というのはコスト面でも
企業のあらゆる能力に対する寄与にもプラスになることは確かだと思います。
社員構造は企業の競争力に大きな影響を与えます。
企業によっては30代後半から40代前半までの
本来なら働きざかりの年代はストンと欠如していたりします。
このような歪みを解消するためには少なくとも十年以上近くかかるのです。

私は不況期においても安定的な採用を続けられることは、
それだけ耐力があるわけですし、
長期的な視点で経営が行えるわけですから、
一流企業の特権ではないかと考えています。
逆に言うと一流企業としての責務とも言えるでしょう。

冒頭の前田社長の発言は人材を中長期的な経営資源として捉え、
まさに「企業の盛衰は人が制す」ことを
理解し実現していることのあらわれなのではないかと思います。

教育に関しても同様です。
OJTが崩壊している企業は多数あります。
OJTに代わる研修制度が求められています。
緊急避難的な予算カットは期間収益を確保しなければならない企業にとって
やむを得ないこともあるとは思いますが、
「先が見えない」からとにかくカット。というのはいかがなものかと。
「見えない先を見えるようにする」
のがマネジメントの職責ではないでしょうか。

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野町 直弘

株式会社クニエ プリンシパル

NTTデータグループのコンサルティング会社である株式会社クニエの調達購買改革コンサルタント。 調達・購買分野に特化したコンサルティングを提供している株式会社アジルアソシエイツの元代表。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルがサービス提供を行います。

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