観念価値の時代

2008.10.20

営業・マーケティング

観念価値の時代

松尾 順
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

「製品が提供できる価値にどのような種類があるのか」 については様々な考え方や理論があります。

私の場合、
最近は以下の3階層で製品価値の構造を捉えています。

(1)便益価値(最下層)
(2)感情価値(中階層)
(3)観念価値(最上層)

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(1)便益価値

製品がどんな具体的な欲求を充足してくれるのか、
ということです。

「その製品は、どんな問題を解決してくれるのか」
「その製品は、どんな役に立つのか」

といった質問の答えが「便益価値」になります。

先日のドリルの話で言えば、

「ドリル」という製品は、

「ねじ穴」

を開けるのに役立つという

「便益価値」

を持っています。

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(2)感情価値

その製品を利用することによってユーザーが感じる

「心地よさ」「たのしさ」、「うれしさ」

など、感情に作用する価値のことです。
(「情緒価値」ということもあります)

これはブランドイメージとも強く結びついています。

たとえ割高(最近はそうでもありませんが)でも
アップル製品を積極的に購入したいと考えるユーザーが
いるのは、アップル製品を所有することの喜びや楽しさが、
他のメーカーよりも大きいからですね。 

また、以前ご紹介した、花王のハンディモップ、

「クイックルワイパーハンディ」

では、小さいほこりを除去して部屋がきれいになるという

「便益価値」

に加えて、思わずなでなでしたくなる、
ネコじゃらしのようなふわふわした形状にモップ部分を
したことで、「楽しい」「かわいい」といった

「感情的価値」

をユーザーに提供しています。

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(3)観念価値

これは「コンセプト価値」と言うこともありますが、

「製品」

そのものが持つ価値というよりも、
むしろ、その製品を提供する企業が打ち出している

経営理念や方針、企業文化

などがもたらす価値です。

具体的には、

「誠実な経営に徹する」

といった経営自体についての方針や、

「原材料には天然ものしか利用しない」

といった品質についての考え方であったり、

「環境保護」「動物愛護」

といった、社会的な意義の高い問題に対する
貢献意識の強さです。(いわゆる「CSR」)

人々は、上記のような、
製品の背後にある企業のこだわりや考え方、
社会的な貢献意識の高さに共感して、
あえてその製品を選択するという行動を取ります。

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さて、従来は「便益価値」の大きさが、
特定の製品が選ばれる最大の理由でした。

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松尾 順

有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー

これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。

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