教育的表現にも効果測定の概念が必要!

2008.08.31

営業・マーケティング

教育的表現にも効果測定の概念が必要!

寺西 隆行
(株)Z会

先日駅のトイレにて、下記のような張り紙を見ました。

◆本投稿記事は、毎日更新中のブログ
http://www.zkaiblog.com/histaff/
の話題を元に、本サイトの読者層に合わせた形で修正しております。

「落書きはすぐ消せても傷ついた心はなかなか消えない」

恐らく誹謗中傷の類の落書きが激しい場所なんでしょう。

書かれていることはしごくまっとうです。
僕自身も人を傷つけるような落書きはなくなってほしいと思います。アタリマエですけど。

ただ、であれば、

落書きすることがためらわれる様な表現

にすべきだと思うんです。真剣に考えて…。

「落書きをしてこの場所で逮捕された人がいますよ。」(うーん、イマイチ)
「3時間ごとに定期清掃中。」(逆効果の場合もあるかな?)
小さく「24時間遠隔管理中」とだけ書いた張り紙を設置(これもうーん…)

…代替案がすぐ出せないのが悔しいですが(苦笑)、いずれにせよ絶対的な性善説に基づく言葉だけを投げかけることには、僕は疑問を覚えています。
注)性善説、性悪説、どちらを信じるか、と聞かれたら「どちらかというと性善説」と答える僕ですが、人間には善い所と悪い所があるわけで、それは人によって違うわけですから、性善説を「前提」にしてはいけない、という立場です。

悪ふざけをしようとしている人に対し、それを防ぐための文言には、単なる自己満足じゃないかな、と感じるものが多々あります。
たとえば今回の張り紙。

張り紙の言葉が(その瞬間に)ぐさっと心に響くような人であれば、そもそもトイレに落書きをするなんて蛮行に出ないと思うんですよね。

どうも「若い人に教育をしよう」と思っている人には、キレイゴトだけを述べてオシマイとする方も沢山いるような気がします。
その人の気持ちそのものは素晴らしいとは思うのですが、一歩進めて、本当に若い人に教育を施そうとするのであれば…

教育の世界でも、しっかり効果測定をすべきだと思うんです。
いや、そこまでいかなくても、効果測定の概念を持つべきだと思うんです。

自分で「いやー私って良い事言っているよね」と思っているだけでは前に進まないんです。
そういう気持ちを持つこと自体は、自分に対するご褒美の意味もあって、大切な気持ちかもしれないんですけど、決してその気持ちが「(教育)効果があるといいなあ」という願いを越えるものであってはいけません。

教育はそもそも、教育しようとしている側が身につけている「正しい(とでも申しましょうか)価値観」が分からない人に対し、その価値観をわかってもらうことがポイントなのですから。

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寺西 隆行

寺西 隆行

(株)Z会

文部科学省広報戦略アドバイザー 経済産業省「未来の教室」教育・広報アドバイザー 三島市GIGAスクール推進アドバイザー 等

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