富士通参戦・電子ペーパーを読み通勤する日はやってくるか?

2008.07.15

営業・マーケティング

富士通参戦・電子ペーパーを読み通勤する日はやってくるか?

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

液晶分子に電圧をかけ液晶分子の向きを変え、外光の透過性を調節して画像を描く電子ペーパー。電力がなくても、次に電圧をかけるまで画像を半永久的にを維持することができるため、超低消費電力・薄い・軽い・明るいを実現した。 その電子ペーパーがこの秋、情報端末として商品化される。

日経新聞が7月13日に次のように報じた。
<電車で本や新聞、カラー表示の電子ペーパー 富士通がA4端末>
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20080713AT1D1106Y12072008.html
<電子ペーパーを内蔵した情報端末を富士通が今秋発売する。大きさはA4サイズ、カラー画面で、電子書籍や新聞情報を通勤電車などで読むことができる>

筆者が電子ペーパーを初めて見たのは2005年の12月。JR東京駅構内で「自動的に画像の切り替わるポスター」として実証実験が行われていた時だった。
その時の電子ペーパーは日立製で、厚さ最大1センチ、A4サイズの大きさ、白黒表示。薄型電池と無線LANアンテナ内蔵で、外部から広告などのコンテンツ内容を受信し、自動的に書き換えていく様を実演していた。
http://kmo.air-nifty.com/kanamori_marketing_office/2005/12/post_3d20.html

当時、いくつかのメディアでも取り上げられていたので、物見高い見物客が結構集まっていた。筆者もその一人だったのだが、その実物は「こんなものか・・・」という感が否めなかった。モノクロ表示で画像の鮮明さも低く、ポスターというにはあまりに小さい。確かに、じっと見ていて画像が切り替わった時には「おっ!」と思ったが、それまで。
画像の切り替えで、張り替え不要。紙もいらなければ、電力消費も極めて少ないと、エコ効果たっぷりな良さはアタマではわかるが、見た目がどうにも地味だった。

その電子ペーパーが随分と進化した。カラー表示は普通にできるようになっていたようだ。JRの自動改札周りに張ってあるSuicaのペンギンのシール広告の代替として、JR山手線・恵比寿駅でも実験が行われたようだ。この取り組みは富士通とJRによるものだ。
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2008/02/20.html

さて、その富士通が<カラー対応の電子ペーパーを消費者向けに販売する>として、商品化したのが、上記の通りA4サイズカラーの「情報端末」というものだ。
筆者はデジタル系の端末に関しては、かなり新しいものにすぐ飛びつくクセがある。よく言えばイノベーターということになるのかもしれない。しかし、今回ばかりはどうにも食指が動かない。
<液晶パネルに比べ消費電力を大幅に減らせるため一度の充電で連続50時間の使用が可能><携帯電話やパソコンから無線通信やSDカードを使って情報を端末にダウンロードする仕組み。新聞1年分の情報を蓄積できる>ということなので、情報端末としてのスペックは十分かもしれない。だがしかし、この「カラー電子ペーパー情報端末」で「電子書籍や新聞情報を通勤電車などで読む」という行為をしている自分がイメージできないのだ。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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