動物も人間も生き残り策は二つしかない!?

2008.06.06

組織・人材

動物も人間も生き残り策は二つしかない!?

横井 真人
産業能率大学 教授

人間の反応パターンは千差万別のようで 実は二つのパターンしかなかったとしたら?

Fight or Flightという言葉を聞いたことはありますか?
人間の対人行動のある側面は、
闘争か逃避の軸上で整理がつく、と言う意味です。

以前、行動科学をベースとした対人対応研修を
アメリカから日本へライセンス導入するプロジェクトに
関わった時に先方のアメリカ人担当者が使っていました。

文献を調べてみると、1915年にキャノンと言う学者が
ストレスに対する動物の反応は大きく闘争と逃避に分かれると提唱した
際にFight or Flightと言う表現をしたことが起源のようです。

これは敵に襲われるなど、生存に直結する状況での反応で顕著です。
実際には「窮鼠猫を噛む」ということわざにもあるように、
動物は当初逃げても、最終的に追い詰められると相手に噛み付く、
と闘争に変わるときもありますが、
おおまかな反応パターンとしては理解できる気がします。

さて、この考え方を複雑な人間社会、
例えばビジネス場面に置き換えるとどうでしょう?

会議で誰かが自分の発表についてちょっとネガティブな発言をしたとしましょう。
「ですからぁ、その点については先ほど言ったようにぃ、
今後詳細を詰めて行くって言ってますよね・・・・」
と、あくまでも相手を論破しようとするリアクションは闘争系ですね。
「はい、それについては・・・もごもごもご・・・」
または「再考します・・・」と引き下がってしまうのは逃避系ですね。

元々闘争と逃避のパターンはジャングルやサバンナでの
生存確率を上げるところから発生していると言われます。
我々の祖先が生き残るためには、究極、相手を負かすか
逃げのびるしかなかったんでしょうね。

形は多少変われども、現代人間社会も一緒です。
相手や困難な状況に対峙した時、相手や状況をやっつけ、黙らせるか、
相手や困難な状況を受け入れ、嵐をやり過ごすかの選択を迫られるわけです。

最近の研究発表では、
現代社会における人間同士の闘争は通常、殴る蹴るよりは(犯罪ですから)
言葉での攻撃(罵声とか)対立的な言動に表れることに対し、
逃避は引きこもりやアルコールなどへの依存、あるいはテレビに釘付けになる
と言う行動に置き換わってきているらしいです。

このパターンが生まれつきかどうかは議論の余地がありますが、
成長の過程で環境適応の結果、自分なりの反応のパターンが
出来上がってしまうことは想像に難くありません。
例えば始めは闘っていたとしても、相手が圧倒的に強い場合は
無力感を学習してしまうこともあるでしょう。

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横井 真人

横井 真人

産業能率大学 教授

個人と組織のパフォーマンス向上を研究。人の行動をスキル、知識、行動意識、感情能力、価値観等の要素に分解し、どの要素が行動に影響を与えているかの観点からパフォーマンスを分析。職場のコミュ二ケーション、リーダーシップ、チームビルディング、ファシリテーション、ソリューション営業、マーケティング等の具体的施策に視点を活用する。

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