【インサイトナウ編集長対談】 中小企業の後継者に寄り添うコミュニティ「羅針盤倶楽部」を開設

猪口　今までどこにも相談できず、コンサルティングを受ける予算もなければ人脈もなかった方が、研究会という場で悩みを相談したり、他の人の意見を聞いたりするのはたしかにとても良いことですね。

日沖　外部の発想や経験を取り入れて、事業の見直しもしくは新規事業の開拓をしている人は、中小企業にはそれほど多くありません。経験が足りないために、何ができるか深掘りして考えているわけではなく、いろいろ考えていたとしても検証はやっていないというのが現状です。

猪口　経営者としては素人なわけですから、どうすべきか分からないのが実態ですよね。

日沖　一方、先代もしくは現経営者がそれまでいろいろと手を尽くしてきたとしても、新しい時代の経営ができているかというと、必ずしもそこまで手が回っておらず、旧態依然としたアナログ経営にとどまってしまっているケースもよくあります。たとえば、BtoB企業が取引先である親会社に対して価格改定を申し入れても、そう簡単には受け入れてもらえません。しかし、内部のコスト削減はやり切ったという認識があっても、ITを使ってさらにコストを削減し、人手を少なくして効率を上げることは可能です。それで余った人手で、より営業に力を入れることができます。

できることはあっても、それを具体的にどうやって進めるのか分からない。とりあえず現状は何とかなっているので、新しいことに踏み切るパワーがない。経営者が年齢を重ねると、なおさら踏み切れない。だからこそ、後継者に引き渡すタイミングで思い切って事業の見直しに取り組むことは、中小企業の経営にとって非常に大きな意味を持ちます。しかし、頭で分かっていてもなかなか動かないし、動けない会社が多いのだと思います。

モニター会員でのスタートも可能

猪口　サイトを拝見すると、モニター会員でのスタートも可能なのですね。

日沖　年間契約が基本ですが、1年通しでできるか不安、マッチするか分からないので踏ん切りがつかないという方のために、半年間のトライアルで試せるモニター会員をご用意しました。それでできると感じていただけたら、次は通常の年間契約へ移行し、一般会員になっていただきます。

猪口　今、事業承継は非常に大きな課題になっています。羅針盤倶楽部ではそのように敷居を下げて、気軽に参加できる仕組みがあるということですので、まずはいろいろな話を聞いて、参考にしていただけると本当にいいですよね。