BtoB営業の現場では、BtoCの場合とは異なり、多くの場合、相手となる企業の数は限られます。そして、顧客ごとに優先すべき課題は異なります。つまり、企業ごとに明確なアプローチ戦略が求められます。営業戦略を考えた場合、当然、商材や顧客によって変わりますが、基本的にクライアントが求める価値は大きく3つしかありません。その3つとは・・・
BtoB営業の現場では、BtoCの場合とは異なり、多くの場合、相手となる企業の数は限られます。そして、顧客ごとに優先すべき課題は異なります。つまり、企業ごとに明確なアプローチ戦略が求められます。営業戦略を考えた場合、当然、商材や顧客によって変わりますが、基本的にクライアントが求める価値は大きく3つしかありません。その3つとは、以下の3つです。
営業として顧客に提案する際、この3つについて顧客に明確なエビデンスを示せなければ、営業として説得力を持つことはできません。
「ノウハウ」よりも「ドゥハウ」を徹底的に身につける
私が営業職を対象とした研修やワークショップを行う際には、数字でエビデンスを語ることができるように、「営業は数字マンになれ」と教えています。ただし、数字から入ると嫌悪感を示す人も少なくありません。それには段階を踏んでいく必要があります。特に、結果をひたすら求められ続けてきた人ほど、成果が出せていない自分には数字を語る資格がないと感じてしまいがちです。
そこで最初に指導するのが、「ビフォーアフターのつくりかた」です。顧客が商品やサービスを使う前と後で、何がどう変化するのか。その効果や効能を紙芝居のように可視化し、その中に数字的根拠を盛り込んでおく。これが第一歩で、できるようになるまで1年くらいの時間がかかります。
「ビフォーアフター」は「As Is」「To Be」とも呼ばれ、「As Is」は「現在の状態」を、「To Be」は「将来の状態」を表します。両者を数字で明らかにし、そのギャップとなる部分が「あなたの提供する商品によって解決する部分」ということになります。
ただし、このアプローチができるようになるだけではだめです。ビフォーとアフターを明確にするやり方に慣れ親しみ、今までとは違う顧客反応、つまり顧客の心理変容、行動変容を実体験し、手ごたえをつかみ、これならうまくいくと味をしめるまでやり抜く必要があります。単に「できる」だけではなく、その行為に対する結果が伴うまで行動を積み重ねなければならないのです。
そのために、私は「ノウハウ」だけではなく、「ドゥハウ」を徹底的に教えます。ひとつは、自分自身が過去に研修を受けてきた経験から、講釈よりも「どうすればいいか」を早く教えてほしいと思ってきたからです。
そしてもうひとつ重要なことは、考え方を変えなければ行動は変わらないというアプローチとして、考え方を変えるところから始める研修やワークショップもありますが、人は変わった結果を実体験しないことには、考え方を変えるまでには、なかなか至らないということです。自分の行動によって結果が変わって、はじめて考え方が変わるものです。
次のページソリューションは顧客によって異なる、USPを明確にする
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2009.02.10
2015.01.26
ハートアンドブレイン株式会社 代表取締役社長
1968年、千葉県生まれ。東海大学法学部卒業。 英国国立ウェールズ大学経営大学院(日本校)MBA。 新日本証券(現みずほ証券)入社後、日本未公開企業研究所主席研究員、米国プライベート・エクイティ・ファンドのジェネラルパートナーであるウエストスフィア・パシフィック社東京事務所ジェネラルマネジャーを経て、現職。
