毎日のタスクの中にこそ、将来への可能性があります。通常、目標設定するときは、ミッションやビジョン、価値観から具体的な目標としてブレークダウンする方法をとることが多いと思いますが、毎日実際に行うタスクが、ミッションやビジョンとあまりにもかけ離れてしまっていると、ミッションやビジョンが空虚なものに見えてしまい、現実との結びつきが薄くなってしまいます。そうなると毎日の仕事へのモチベーションや情熱にも影響を及ぼします。
ビジネス社会では、時短や労働時間の縮小、生産性アップ、新たなDXの導入など、「より少ない労力でより多い成果を」の大号令です。多くのナレッジワーカーが、所定の時間内に指示されたタスクをこなすことができず、本来求めていた成果に結びついているのか、あるいは自分の将来のキャリアにとって今の仕事で十分なのかと不安に思っている人も少なくないでしょう。
DXの導入によって、本来効率化されるはずの仕事はむしろ増え、単に「デジタル化することが目的」の仕事も多いと聞きます。自分の仕事の武器になるはずの「デジタル技術」が、自分の仕事の足かせになるようでは、不安は増すばかりです。
ただし、多くのタスクを求められているのは、ある意味、それだけの評価を得ているということにもなりますから、あふれるほど仕事を抱えている人は、可能性を持っていることになります。むしろ、やるべきことがあまりないと感じる人は、残念ながら「仕事を依頼されない」原因を冷静に分析し、まず積極的にタスクを拾って、タスクの量を確保する必要があると言えるでしょう。
タスクを計画しても結果は同じ?
「タスク・マネジメント」というと、「あふれるような仕事を整理し、なんとか仕事をこなす」というイメージがあります。これも間違いではありませんが、適切なタスク・マネジメントは、次のタスクが明確になる、よりやりたかったタスクが増える(やりたくないタスクが減る)、新しい目標が見えてくるというメリットもあります。
多くの人が、計画を立てても、思い通りに行かず、生産性も上がらずストレスを抱えてしまっていると思いますが、それは、「きっちりスケジュールを立てても、次々と複雑な仕事が舞い込み、スケジュールがめちゃくちゃになる」「とにかく仕事をこなすことに必死で、『より良く』を考えている時間がない」という状況でしょうか。
多くの場合、タスクを計画する際に、少し工夫をすれば改善できることがあります。実は大半の人が、「タスク」に対して、「タスクは指示されたもので、創意工夫する余地がない」と考えているからです。
毎日のタスクの中に将来への可能性が
しかし、毎日のタスクの中にこそ、将来への可能性があります。Getting Things Done(物事をなし遂げる)「GTD」というフレームワークで著名な米国のコンサルタント、デビッド・アレンは「日々の仕事を片付けられないと、将来の目標など見えてこない」と日々のタスク・マネジメントの重要性を説きます。通常、目標設定するときは、ミッションやビジョン、価値観から具体的な目標としてブレークダウンする方法をとることが多いと思いますが、毎日実際に行うタスクが、ミッションやビジョンとあまりにもかけ離れてしまっていると、ミッションやビジョンが空虚なものに見えてしまい、現実との結びつきが薄くなってしまいます。そうなると毎日の仕事へのモチベーションや情熱にも影響を及ぼします。
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