成果主義・ジョブ型採用のもとで考えるべき2種の人材ポートフォリオ

画像: マクダーミッド ジャパン

2021.11.22

組織・人材

成果主義・ジョブ型採用のもとで考えるべき2種の人材ポートフォリオ

村山 昇
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

HR部門が「スキル観点」の人材ポートフォリオを考えるのは、もはや当然のことです。しかし人材がますます流動化する昨今、さらには成果主義やジョブ型採用が広がる流れの中では、これだけでは不十分です。「就労意識観点」ともいうべき人材ポートフォリオを持つ必要があります。

2つの人材ポートフォリオ

企業の人事担当者は人材マネジメント戦略の1つとして「人材ポートフォリオ」というものを考えます。自社が必要とする人材をタイプ分けしてとらえ、その採用や組み合わせを考える手法です。一般的な人材ポートフォリオ分析を下に描きました。多くの企業は人材構成をとらえる場合、このようなスキル観点で分析します。スキルの種類やレベルに応じて人材タイプを決め、それぞれについて正社員として採用し育てるか、非正社員で充てるか、外部のタレントを都度で起用するかを検討します。


スキル観点の人材ポートフォリオを考えるのは、もはや当然のことです。しかし人材がますます流動化する昨今、さらには成果主義やジョブ型採用が広がる流れの中では、こうしたとらえ方だけでは不十分です。私はもう1つ、「就労意識観点」の人材ポートフォリオを持つ必要があると考えています。


私はこれまで顧客企業の研修受講者を対象に、就労意識のアセスメントテストを行ってきました。その分析アプローチの1つがこの4象限の図です。2つの軸――「キャリア形成環境の流動性許容度の大小」と「ワーク・ディベロップメント意識の強弱」――によって、被験者を4つの就労意識タイプに分けるものです。

各タイプのおおまかなイメージは───

〈タイプⅠ〉発展的移転の性向:「ピカソ」型
「ワーク・ディベロップメント意識」が強く、すなわち、働くことを豊かに見つめる就労観を持ち、仕事を通じて自分を成長させていくことに積極的で、かつ、転職や留学などキャリア形成環境の変化リスクを気にしない人たちです。このタイプは動き回って機会をつくり出し、らせん状に発展的にキャリアを展開させていきます。通称「ピカソ」型。ピカソは生涯、絵を描く環境をどんどん変え、作風をどんどん進化させていった仕事人です。

〈タイプⅡ〉深耕的定住の性向:「耕一さん」型
「ワーク・ディベロップメント意識」が高く、かつ、環境変化リスクの大きいキャリア選択には慎重という人たちです。このタイプは「耕一さん」の名のとおり、一つの場、一つの職に留まって深く耕していく姿勢になります。化学者の田中耕一さんは、一つを耕していったら、ノーベル化学賞(2002年受賞)にまで行ってしまった人です。

〈タイプⅢ〉保守的定住の性向:「ゆでガエル」型
このタイプの人は「ワーク・ディベロップメント意識」が弱く、すなわち、働くことは生計を立てるためといったような割り切った就労観で、かつ、保守的に無難にその場での職を保持する姿勢になります。厳しい表現になりますが、「ゆでガエル」リスクのあるキャリア態度です。

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村山 昇

キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。

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