調達購買業務のDXは進むのか

画像: photoAC_metamorworksさん

2020.09.16

経営・マネジメント

調達購買業務のDXは進むのか

野町 直弘
調達購買コンサルタント

今回のコロナ禍で日本企業が、高い興味を感じているのは、DX(デジタルトランスフォーメーション)です。先だって私が講演したセミナー参加者のアンケートでも調達部門のDXやIT活用に対する関心は、非常に高いことが結果として出ています。 それでは調達購買部門のDXはどのように進んでいくでしょうか。

このように調達購買業務における実行系、情報系のIT活用は20年前から止まっていました。それが今回のウィズコロナの影響により、否応なくIT活用やDXが進んでいくと考えられます。

それでは、調達購買部門のDXは今後、どのように進んでいくでしょうか。短期・中期・長期の視点で考えてみましょう。

短期的には働き方改革やテレワークに伴う、ペーパーレスやプロセスの自動化などを目的にRPA(プロセスオートメーション)、電子決裁、電子契約、文書管理、などの仕組みの導入活用が進むと考えます。これは現状のシステムでは完全なペーパーレスやオートメーションができていない企業が、あまりにも多く、まずは現状ITでは、カバーしきれていないプロセスや紙を介した業務を改善するというのが狙いです。

中期的には、購買情報(品目、コスト明細、サプライヤー、人材スキル、市況、為替、など)の共有と活用を進める情報系システムの導入・活用が進むでしょう。具体的には列挙したようなデータの、情報収集→分析→提案→意思決定のスピードアップが進みます。またここでは、過去の意思決定ロジックを参照するようなAI活用も、進んでいくでしょう。具体的には、価格の自動査定やサプライヤの自動選定、コンプライアンス確保のためのAIによる監査などが上げられます。

長期的には、調達システムのパッケージ化(情報系、実行系共に)が進むとともに、バリューチェーン全体での最適化を図るような営業見積、予算策定、仮見積取得、予算管理、からBS/PL連携、キャッシュフロー改善までの、全社システムとの連携が一層進展していくでしょう。それと共に、調達機能のユーザーへの権限移譲が進んでいくと考えます。

また、これらは単に一企業のプロセス全体での最適化だけでなく、サプライチェーン全体の連携、という形で大きな成果をもたらしていくことが期待されるでしょう。例えばIoTの活用によるサプライチェーン全体での在庫最適化や、設備稼働率管理、保守業務の最適化などにつながるでしょう。

この時代にはIoT、AI、MR(複合現実)の活用などで、閉じたシステムではなく、サプライチェーン全体を可視化できるDXが望まれるに違いありません。

今回のコロナ禍は、その覚悟や方向性を決めた機会と言えるでしょう。この機会を活かすか活かさないかは、それぞれの企業次第です。

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野町 直弘

調達購買コンサルタント

調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。

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