働き方改革にはCPO[最高“哲学”責任者]が必要

画像: taitiro a.k.a. amamako

2020.02.13

組織・人材

働き方改革にはCPO[最高“哲学”責任者]が必要

村山 昇
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

仕事柄、昨今のいわゆる「働き方改革」、そして「人手不足時代の人材獲得」について企業の人事担当者・経営者と話し合う機会がよくあります。そこで私が提示する観点の一つが「CPO」です。

◆外からの「働き方」改革・内からの「働き観」改革

仕事柄、昨今のいわゆる「働き方改革」、そして「人手不足時代の人材獲得」について企業の人事担当者・経営者と話し合う機会がよくあります。そこで私が提示する観点の一つが「CPO」です。

ここでいうCPOの「P」は「Philosophy」や「Purpose」を表します。すなわちCPOとは、「最高“哲学”責任者」「最高“目的”責任者」です。

いま進んでいる働き方改革は、おおかた、外的・物的な対症療法に終始していて、少なからずの人がなんだかなあという思いでながめているのではないでしょうか。もちろん外側からの強制的な施策によって中身が変わっていくことがありますし、多少の効果は出ているように思われるので決して無駄なことでありません。

しかし、外からだけの働き方改革はこのままいけば、単なる「残業減らし」という矮小化した取り組みで終息してしまいかねません。働き方改革は、根本的・最終的には「働き観」改革であらねばならず、残念ながらその次元での取り組みはおざなりになっています。

働き観とは、働くことのあり方を根底でどうとらえるかという哲学です。そこには仕事観、キャリア観、事業観、会社観、人材観、目的観、価値観などいろいろなものを含みますが、一人一人の観を醸成し、変えていくためには、外的・物的な仕掛け主導ではなく、内的・精神的な仕掛けが主導にならなければなりません。

ですから、働き観改革というのは政府が号令をかけて一律な方法でやるものではなく、各々の組織が、個人が自律的にやるのが本来の姿です。

そのために、組織内に働くことの意味や目的を語り、一人一人の従業員に内発的動機の刺激をし、それを組織文化にまで醸成できる人間が必要になります。それを私は「Chief Philosophy Officer」とか「Chief Purpose Officer」と呼びたいのです。ちなみに、ここでいう「哲学」とは、難解な哲学概念を解釈する学問的な哲学ではなく、「物事の根源や意味、価値を考え抜く」という広い意味での哲学です。

◆物的な方策だけに頼ることのデメリット

下は私が自著の中でまとめた「従業員にとっての『よい会社』とは」の図です。働き方改革で実行されてきた時短や有給休暇取得などの義務化・奨励化は、主にこの4象限図の左下です。すなわち、「物的×働きやすさ」の施策です。

また、人手不足(特に高度な専門技術を持つ人材の採用難)については、年功序列型賃金制度を見直し、高額年俸で人材を引き抜き、囲い込むことが普通となってきました。これは4象限右下の「物的×働きがい」の施策です。

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村山 昇

キャリア・ポートレート コンサルティング 代表

人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。

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