東京、神奈川はいよいよ1000円超え。最低賃金引き上げの光と影

2019.10.04

ライフ・ソーシャル

東京、神奈川はいよいよ1000円超え。最低賃金引き上げの光と影

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毎年審議されている労働者の最低賃金改定への提言。今年も結論が出た。東京や神奈川などの大都市では、時給1000円を超えることになり、いよいよ大台突入と反響を呼んでいる。 ちょうど消費税アップのタイミングとも重なって注目を集めるが、一方で地方や中小零細企業への経営圧迫が心配され、喜んでばかりもいられない現状があるようだ。

【記事元】
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全国平均で初の900円台に。政府の目標達成はまだ先

最低賃金とは、企業や公務員などの労働者に法律で支払いを義務付けた最低限の時給を指している。経営者側と労働者側の代表に学者を加えた労公使が年に1回審議を行い、引き上げの目安を決める。この金額をもとに、各都道府県の自治体がそれぞれ議論し、10月をめどに改定する仕組みだ。

政府が19年度の経済財政運営の基本方針(骨太の方針)で、「より早期に全国平均で1000円を目指す」と明記したのを受け、引き上げ額に注目が集まっていた。

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今回決まった引き上げ額は、全国平均で27円引き上げて901円となった。東京は1013円、神奈川は1011円となり、初めて1000円を超えた。また、都道府県全体での引き上げ額は過去最大となっている(図「令和元年度地域別最低賃金改定状況」参照)。

図で色分けしたように、各都道府県の最低賃金は地域の経済力に応じて、それぞれA~Dの4つのランクに分類して提示している。
●28円アップのAランク/ブルーで示した埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪
●27円アップのBランク/グリーンで示した茨城、栃木、富山、山梨、長野、岐阜、静岡、三重、滋賀、京都、兵庫、広島
●北海道や群馬などのCランクと青森や鹿児島などのDランクは26円アップとなった。最低賃金が従前から高い東京などは1000円超えとなったが、引き上げ率からみると、4つのグループ中ではDランクが3.4%ともっとも高くなっている。

非正規雇用労働者の生活改善に貢献

では、最低賃金のアップはどんな影響をもたらすのだろうか。
最低賃金の改定によってもっとも恩恵を受けるのは非正規雇用の労働者といわれている。たとえば、有期雇用労働者、パートタイム、派遣労働者、そして外国人など。
もちろん時給額は各企業によって異なるのだが、仮に国の定めた最低賃金と同水準だとすれば、今回の引き上げは約3%のベースアップということになり、結構な額だ。しかもこの4年間3%のアップ率は毎年維持されている。

背景には、政府が掲げる働き方改革の目玉の一つとして、「同一労働同一賃金」がある。同じ内容の仕事に従事するなら、本来非正規社員でも正社員でも同じ賃金が支払われるべきという欧米並みの考え方だが、日本の年功序列・終身雇用の長年の労働慣習とはなかなか相容れず、非正規と正社員の賃金格差はなかなか縮まらない。
総務省の「労働力調査」2018年平均(速報)によると、正規雇用労働者が3476万人に対し、非正規雇用労働者は2120万人おり、約38%に及んでいる。ちなみに非正規雇用者のうち68%は女性だ。これだけ多くの非正規雇用労働者がいるのだから、賃金アップへの圧力は相当なもの。
非正規雇用者の労働環境改善を目指す、「パートタイム・有期雇用労働法および労働者派遣法」は2020年4月に施行されることになっており、賃金にとどまらず、今後ますます増える見込みの非正規雇用者の待遇改善が具体的に進むことを目指している。

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