米FRB: フェッド・ファンド金利そろそろ打ち止めか

2018.10.01

経営・マネジメント

米FRB: フェッド・ファンド金利そろそろ打ち止めか

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今月の当レポートは、リーマンショックから10年、その教訓、そしてドルの一人勝ちの中での米資産保有考察と、米金融市場中心の内容です。中央銀行であるFRB(米連邦準備理事会)が今週利上げに踏み切ったこともあり、今後の利上げの頻度、そして打ち止め感などについて考察します。

FOMCの発表したFF金利

今回のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、政策金利(フェッド・ファンド・レート:FF金利)を0.25%引き上げ、誘導目標金利を2.00~2.25%としました。一般には上限金利の2.25%が指標として意識されます。
前々回当レポートでの掲載グラフを参考にしていただければと思います。2016年初めには0.25%であったFF金利が、今回2.25%となり、2年で2%の利上げ幅となったということになります。
筆者はこれまで2020年前後までは利上げセッションが続くと述べてきましたが、それがいつまで続くかというのが市場の関心事となっています。そのヒントは下記のグラフ(出所:FRBホームページ)にあります。

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好景気の持続は2021年まで?

このグラフは、FOMCの出席メンバーによるFF金利の将来の予想分布図です。ドットチャートと言われています。これを見ると、年内はあと一回0.25%の利上げがあり、FF金利2.50%となる予想です。来年2019年には、中心部分が概ね3.25%にあり、0.25%の利上げが計3回、そして2020年には3.50%から3.75%の範囲に中心部が位置するので、0.25%の利上げが1回もしくは2回行われることが予想されます。
再来年にはFF金利3.50%の時代が来ることになります。これは先進国の中では突出していると言え、欧州中央銀行(ECB)はゼロ金利、イングランド銀行は0.75%、そして日本銀行はほとんどゼロ金利状態にあります。3つの中央銀行は共に積極的な利上げは当面ないように思います。
FRBが積極的な利上げセッションを継続しているのですが、いつ打ち止めになるかについては、このドットチャートを見ると2021年辺りからFF金利は下がり気味のように見えます。筆者は緑の線を引いてみました。長期的見通しは、概ね3%前後に軟着陸させる予想になっています。

FRBの希望的観測か

つまり、このドットチャートからは2021年には利上げセッションは打ち止めということを読み取れます。リーマンショック、あるいはブラックマンデーのような金融恐慌があることは想定外であるようですが、ミニリセッションとでもいう景況感の悪い時期も想定内のようです。
結論として、FRBは来年、再来年と利上げを続け、2021年に入ると、景気に自信が持てなくなり、インフレ率が目標の2%から大きく逸脱していなければ、場合によっては小幅利下げという選択肢も入っているのではと伺わせます。逆に言えば2021年時点の景気動向は、FRBメンバーもどのようになっているか予測不可能ではないかと推測します。
少なくとも、2021年、つまり3年後までは、少なくともリーマンショックのような大きな金融恐慌は起きてほしくないというのが本音の考えではないかと思います。

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