ロジカルシンキングを越えて:9.「海の水を全て沸かす病」の症状と処方箋

2018.09.01

経営・マネジメント

ロジカルシンキングを越えて:9.「海の水を全て沸かす病」の症状と処方箋

伊藤 達夫
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

ロジカルシンキングブームが去ってから長いものの、ビジネスプランニングにおけるロジカルシンキングには大いなる誤解や形式に偏った理解がよく見られます。ビジネスプランニングにおけるロジカルシンキングとは何なのか?何でないのか?誤解や偏った理解を含めて概観しつつ本当に使えるやり方を明らかにしていきます。

でも、少しずつ、因果関係の仮説を考えるほうに向かってほしいのです。まだ数字になっていない部分はなんなのだろう?数字は、結果として出てきた数字はこうなっているけれども、深層に潜んでいるものはなんなのだろう?と。

ビジネスにおいて、深層にあるのは、たいていは人の気持ちだったり、なんとなくの行動だったりします。数字という結果が出るためには、どのような人の気持ち、行動があるのか?これに辿りつけるようになるには、すごく時間がかかると思います。できない人はずっとできないでしょう。

でもね、こういう仮説と論点を考えることができるようにならない限り、結果だけを後追いで追い回すことしかできません。

もしも、リソース量が圧倒的で、業界ナンバーワンなのならば、先読みをする必要もないでしょう。「牛歩」とも言うべき戦略オプションがある。

つまり、人がやって少しうまく行っている様子ならば、タイミングを見て、満を持して当該市場に参入して、一気にマーケットを支配するというやり方を取ればいいのです。

でもね、そんな会社はほとんどないわけです。規模の経済で勝負するのは、グローバルマーケットで言えば、米国系中国系の超大企業です。日本企業の多くはグローバルニッチと言われるように、ニッチ市場を動き回ることで生き延びている企業も多いと思います。

そういう企業は常に深層まで深く考えていくことを求められます。常に数字に目を配りながら数字の深層にあるものを捉えていく。これはある意味しんどいのですが、日本企業の場合は、こうやらざるを得ない企業が多いのではないでしょうか?

また、国内マーケットでも、中堅中小企業は、常にこういった考えを巡らせている必要があると思います。大手がリソースにモノを言わせてやってきたら非常に厳しい。かといってモグラ叩きでは間に合わない。毎年毎年マーケットを見ながら深層を考えていかねばならない。

もうわかりましたね。この部分を越えていくには、しっかりと仮説を作ることが必要なのです。しかも作る仮説はアクションに関する仮説だけでなく、もっと大事な「未だ数字になっていない部分の因果関係仮説」です。

しかし、この段階に来ていれば、数字をおさえてモノを言うことはできますので、数字をおさえて、数字になっていない部分を考える方向に向かっていくことが必要であることを認識することで、この段階を少しずつ超えていくことができるようになります。

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伊藤 達夫

THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。

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