「働きやすい会社」を目指すということ

画像: OIST

2018.07.08

組織・人材

「働きやすい会社」を目指すということ

猪口 真
株式会社パトス 代表取締役

今大半の会社が「人材不足」だとなげいている。昨今、増えている論調が「働きやすさを追求しても企業の業績や優秀な人材確保に効果はない」という内容なのだが、果たしてそうなのだろうか。

組織内では良好な人間関係が構築され、自分と組織双方の成長が実感でき、何より会社自体が信頼に足るものかどうかが重要となる。

つまり、本当に働きやすい会社とは、会社のミッションから戦略~業務プロセスにいたる結果を出すバリューチェーンを持ち、気持ちよく働ける人間関係の文化があり、何よりも大切なのは、この会社にいれば自分自身が成長できるという確信が持てるかどうかだ。

もちろん、人事制度も重要だが、こうした観点が持てない限り、本当に働きやすい会社をつくることはできない。

人事制度や外形的な「働きやすさ」のための施策をいくら行ったところで、働く人の内面を満足させない限り、真の「働きやすさ」を与えることはできないだろう。

これからの働きやすさ

これまで日本は、必死になってヒエラルキー重視の組織体制をつくり、人事制度をつくり、市場ニーズに対するバリューチェーンを維持してきた。「社畜」や「セブンイレブン(7時から11時まで働く)」などの揶揄に対して、重厚な福利厚生や手厚い手当で対応してきた。

ところが働き方に多様化が求められるようになり、ビジネスの環境変化も激しくなった。さらに、少子化の波は、突然人材不足の問題を生み、これまで培ってきた企業内の制度や慣習が通用しないケースが一気に増えてきた。

だから「働きやすい」会社を目指すことで、より良い人材を採用しようとどこも必死なのだが、本当の働きやすさを追求しない限り、新しい時代に古い時代の考えで対応しようとしても土台無理な話だ。

本当に働きやすい会社を作るということは、多様化した働き手が、現在の制度、文化、戦略、理念に心から満足することで、快活なコミュニケーションをとりながら、新しいチャレンジをし、成長していくということだ。人が成長すれば、リーダーシップが生まれ、求心力が備わり、そしてさらに人が集まる。

そうした組織が成長しないはずは決してない。本当に働きやすい会社とは何か、熟考すべきときにきている。

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