秋ビール、差別化のカギは、配色にあり。

2015.08.27

営業・マーケティング

秋ビール、差別化のカギは、配色にあり。

山田 美帆
カラーコンサルタントRosa 代表

秋ビールの季節になりました。秋ビールと言えば紅葉がデザインされたパッケージが多いため、今まで似たり寄ったりでしたが、今年は差別化された商品が登場!色とデザインの視点から分析します。

その後も紅葉のデザインは受け継がれてますが、赤の色合いが微妙に変わったり、書体も変わったりしています。

今回は、先日発売された第三のビール3種について分析したいと思います。


先日発売された、第三のビール「クリアアサヒ秋の琥珀(向かって左)」も紅葉をイメージしたデザインと色合いになっています。
こちらは、クリアアサヒをベースにしてるため、「秋味」と同じような色使いでも、そこまで類似して見えません。

このような赤とゴールドの組み合わせは、リッチな気分を与え、心を温めます。
ただ、秋のビールを現す典型的な配色なので、遠目に見ると紛らわしいと思います。


そこで今年は、サントリーとサッポロの第三のビールが、まったく違うイメージのパッケージになっています。

写真右が「サントリー円熟の秋」です。

プレミアムモルツや金麦と同じように紺をベースにしています。こちらでしたら、サントリーカラーが強く出ていますので、ぱっと見でもサントリー商品と認識しやすく、

同社の商品と間違えることはあっても、他社の商品とはしっかり差別化されています。
2度と紛らわしいとは言われないでしょう。

このように紺とゴールドの組み合わせは、知的で上品なイメージを与えます。
ただ、紺は黒に近い色なので暗い印象がありますが、月の光のゴールド、そしてそれに照らされる紅葉を描くことによって、パッケージに暖かさと豊かさが入ってくるのです。

まるで1枚の絵のようなパッケージがプレミアム感をもたらし、秋の夜長に、ゆったりとビールを楽しもうと言う気持ちになるのです。


真ん中が「サッポロ秋の本熟」です。

こちらのデザイン、初めて見たとき衝撃が走りました。
紅葉と言えば、赤やオレンジのイメージが強いのですが、秋に緑のパッケージを用いるのは画期的ですね。

確かに常緑樹は一年中緑ですし、紅葉の赤やオレンジと組み合わせることによって、補色関係(正反対の色の関係)のため、お互いの色味を引き立てます。
プラス、真ん中にゴールドを配置することで、ビールの美味しさをほうふつさせ、高級感をもたらしてくれます。

しかもこちらの落ち着いた深緑は、しっかりとした存在感があり、くつろぎを演出してくれる色。
秋のまったりした時間を感じることができます。

このようなベースカラーのビールは珍しいので、数あるビールの中ではとても目につきやすい配色です。



同じ素材でも周りの色や視点次第でまったく違うデザインになる

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山田 美帆

カラーコンサルタントRosa 代表

Ciao!カラーコンサルタントRosa代表の山田美帆です。 INSIGHTNOWのリニューアルに伴い、3年ぶりに戻ってまいりました! これからもINSIGHTNOWの「色物」として頑張ります(笑) こちらでは、カラーマーケティングをはじめとして、女性マーケティング・ビジネスマナーについてお話したいと思います。 また、美容やアンチエイジングについても書いていくつもりです。 どうぞよろしくお願いいたします♪

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