起業講座1:国内最大のマイクロストックフォト『PIXTA』(2)

2010.02.15

経営・マネジメント

起業講座1:国内最大のマイクロストックフォト『PIXTA』(2)

INSIGHT NOW! 編集部
インサイトナウ株式会社

『INSIGHT NOW!』勉強会のなかから、PE&HR株式会社(http://www.pehr.jp)が開催した会の特別レポートです。インキュベーション事業を行う同社の勉強会では、特別講師として、同社投資先のなかでも、特に成長している注目のベンチャー起業家4名が招聘されました。「ベンチャー企業の生成と発展」のメカニズムを解明し、『起業の本質』に迫った当日の内容から、同社に抜粋してレポートいただき、読者の皆さんに公開いたします。

■ピクスタの成長要因と古俣流「起業の心得」
ベンチャー企業の成長発展には、どのようなメカニズムが働いているのか。逆に、成長を阻害する要因はどこにあるのか。その本質に迫るべく、勉強会で語られた内容の一部を紹介したい。

(1) 事業には肝がある。
古俣氏は、『PIXTA』を「コンテンツ×検索性×アクセス数」という方程式で表現した。売上をあげる要素として、コンテンツが6割、検索性とアクセス数がそれぞれ2割ぐらいを占めるとして、次のような説明をした。なお、具体的な数値については機密上、控えさせていただく。

「特に人物コンテンツのニーズが高いのですが、一般的に人物コンテンツの制作にはコストがかかります。そこで、良質な人物コンテンツを増やすための工夫をしています。その一つが、クリエイターとコンテンツの審査です。導入時、審査ではじいてしまうことに対しては、クリエイターからの反応が気になりましたが、結果的にはサイトにアップされる画像素材の質が向上し、買われやすくなるという効果が出ました。」

勉強会では、コンテンツを増やすために実施している施策として、人物撮影の専属組織の立ち上げやクリエイター向けの撮影会などについても紹介された。数々の施策によって、現在では人物コンテンツが販売画像全体の約3割を占めるまでになったという。

(2) 創業時のシェア(持株比率)にこだわる。
当日は、古俣氏が創業時にとった資本政策について話され、ファシリテーターによる解説や資本政策の失敗例などが加えられた。古俣氏からは次のようなコメントがあり、印象に残ったので紹介したい。

「創業時の株主構成は重要です。できれば、創業時は自分だけで(シェアは)100%が良い。」

「友人と共同事業はできるだけ避けた方が良いと思います。厳しいときにビシッと言えなくなりますので、友達とビジネスパートナーは別にすべきです。友人と始めるにしても、同様の考えから50%ずつのシェアにはしない方が良いと思います。」

「創業してから、資金調達を段階的に行い、2年がかりで約1.5億円を調達しました。資本政策について、私は創業前にPE&HRさんのセミナーに参加して要点を勉強していましたが、知らないまま起業してしまうのはとても怖いことだと思います。創業時は資金が必要にも関わらず、事業の実態がありません。そのため、最初の増資の際は企業価値を低く算定されがちですが、どのような条件で引き受けていただけるかによって、その後の事業の拡大や資金調達のしやすさに大きな影響が出ると思います。当社は、資本金が1,150万円のとき、PE&HRさんに最初の増資を引き受けてもらい、1,500万円を出資いただきました(※2)。当時は、まだサイトオープン前で実績がない段階でしたが、企業価値を8,400万円と評価してくれました。その後の資本政策が実行しやすく、事業を軌道にのせることができたことからも、当時の評価は適切だったと思います。」
※2 PE&HRは、その後も増資を引き受け、累計5,550万円を出資している。

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