コミュニケーションはいつの時代も重要なキーワードであり、古来より伝承されているコミュニケーションにかかわる慣例や慣習も多々あります。中には時代にそぐわないものも多くなってきています。日本の政府のコミュニケーションを見ていると以前より進歩してきているものの、時代にそぐわなくなっているケースをよく見受けます。
先日、ある大手企業の管理職一歩手前の監督職クラスの人2000人弱を対象とした意識調査を請け負ったのですが、その中に興味深い結果がありました。
上下間のコミュニケーションに関するものなのですが、上長に対して相談や質問、意見具申した時には上長も真摯に耳を傾け意見を返してくれ満足度はある程度得られているものの、上長から発信されることに関しては満足度がかなり低い結果となりました。
これはこの企業特有のことではなく、日本の多くの企業に当てはまることではないかと思われます。要するに、受信型コミュニケーションはそれなりにできているものの、発信型コミュニケーションはあまりできていないのです。もしかすると、日本の古来の美徳である「不言実行」というのが多少なり影響しているのかもしれません。
最近の鳩山政権でも同様のことが見て取れます。鳩山首相発信のコミュニケーションは具体的なことに言及することが少なく、一体日本の船はどこへ向かっているのか非常に不安に感じます。「私を信頼してください」という表情には、強い意志を見てとれなくもないのですが、やはり結果だけでなく、明確なゴールイメージやその実現プロセスに言及する発信型コミュニケーションがもっと必要な気がします。
日本は単一民族で島国あるといこともあり、古来より伝承されている慣習・慣例が多くありますが、今や国境なきボーダレスの情報社会です。再考すべきものも時代の変遷とともに多々あるように思えます。
古来日本人の美徳ともいえる「不言実行」も「発信実行」へ大きく舵を切る時がきているのではないでしょうか。
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2010.03.20
2015.12.13
松本 真治
有限会社ワースプランニング 代表取締役
人材・組織開発コンサルタント。 人材・組織の潜在力を引き出すアセスメント(サーベイ)の企画/開発/運用から本質的課題を抽出し、課題解決のための最適なソリューション(研修・教育プログラム)の設計/運営までのコンサルティング・サービスを展開中。 人/組織が本来持ち備えている力(潜在力)を引き出し、人/組織が自律的で持続的な成長を遂げていく支援をさせていただいています。