日本が生んだ世界最速ブラウザ・Lunascapeの世界シェア戦略(4)

2009.06.23

開発秘話

日本が生んだ世界最速ブラウザ・Lunascapeの世界シェア戦略(4)

INSIGHT NOW! 編集部
クイックウィンズ株式会社

世界最速にして世界唯一のトリプルエンジン搭載ブラウザLunascape。ブラウザといえばアメリカという常識を覆し、世界シェア拡大を狙うスタンスは、あのGoogleを彷彿とさせる。ブラウザで「世界平和実現」をめざすLunascape開発の背景を探る。

最終回 
「必ず世界一のブラウザになる」

■99%シェアなんて絶対におかしい

「あのソニーでさえ、マイクロソフトに立ち向かうなんて馬鹿げたことだと判断した可能性が高いですね」

ソニーでLunascape開発を訴えたが結局認められず、近藤氏はソニーを去った。いくらユーザー数が10万人を超えていたとはいえ、敵はマイクロソフトである。それこそI.Eのユーザーが世界中でどれだけいるかと推測すれば、軽く億単位のオーダーになるはずだ。

「マイクロソフトとまともに戦おうなんて、誰も考えもしなかったんでしょうね。でも、私には確信があったんです。人類の歴史を根拠に考えるなら、一つの製品が99%ものシェアを占めているなんて絶対に異常だって。いくら多くても7割ぐらいがリミットでしょう」

ブラウザマーケットは明らかにいびつである。本質的に考えれば、どこかにおかしなところがある。そこを突けば、マーケット状況はガラッと音を立てて変わるはずだ。これが近藤氏の信念となった。

「本質を突き詰めて考えていけば、誰でもこの結論に至るはずなんです。だから必ずチャンスはあると確信していました」

しかも近藤氏のバックには10万人を超えるユーザーがついていたのだ。そのユーザーも、普通のネットユーザーとは訳が違う。新しいバージョンが出れば即座にダウンロードし、数秒後にはレスポンスを返してくるような人たちである。すなわちブラウザに関するイノベーターと考えていい。

「トップレベルのユーザーからの支持は心強かったですね。I.Eをいったんカッコに入れて、フラットにブラウザを見直してみれば、どう考えてもLunascapeの方が使いやすい。10万人もユーザーがいるんだから、仮に一ヶ月10円だけ彼らからもらったとしても100万になるよな。それだけあれば何とか食っていけるかも、なんて割とイージーゴーイングに起業しました」

起業に際しては、一つの幸運も近藤氏を後押しした。IPA(独立行政法人情報処理推進機構)の「ソフトウェア・プロダクト・オブ・ザ・イヤー2005」を受賞、賞金で2年間ぐらいは安心して開発に打ち込める余裕があった。ここからLunascapeの快進撃がスタートする。

「Yahoo!さんが儲かっているんだったら、うちも儲かるはずだと思っていました。安易かもしれませんが、自分では結構本質的な考え方だとも思っていました。Yahoo!さんはポータルサイトのポジションを取ったからこそ、あのビジネスが成立しているわけでしょう。それならポータルを突き詰めていけば、ブラウザに行き着くじゃないですか」

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