仮説構築の技術(8)~ 総括まとめ

画像: phon-ta

2009.04.13

仕事術

仮説構築の技術(8)~ 総括まとめ

家弓 正彦
株式会社シナプス 代表取締役

これまで、様々な仮説構築の技術について述べてきました。 簡単に、オーバービューしてみますね。

大まかに見えない事実について仮説を立てるには、
以下の手法が考えられます。

■ 将来予測(トレンド分析、デルファイ法)
■ 定量仮説(フェルミ推定)

これらの仮説に加えて、様々な定性的仮説を考えることも多いですよね。
しかし、定性的なことについては、個人の先入観やクセが加わるリスクがあります。
そこで「俯瞰思考」が必要となるわけですね。

■ 俯瞰思考

  (Step1)MECEに可能性を拡げる
  (Step2)評価によって絞り込む

しかし、フェルミ推定にしても、俯瞰思考の評価においても、
なんらかの確からしい根拠を考える必要があります。
それには、2つの論理思考プロセスを採ることになります。
それが、「演繹法」と「帰納法」ですね。

演繹法

「観察事項」に「一般的ルール」をあてはめて考えれば、「仮説」が導出できる。
これが演繹法です。それを使いこなす際に留意してほしいのは、
 ・ルールの本質を見極める
 ・ルールに思い込みを排除する
 ・様々なルールに目を向ける
といったところでしょうか。

帰納法

いくつかのサンプルをもとに、共通するルールを見出して「仮説」導出する手法。
そのためには、「一致法/差異法」を用いることが一般的です。
重要なのは、「分析者の解釈」です。
どのような視点で共通ルールを見出すか?答えは一つではありません。

■ 仮説のブラッシュアップ

こうやって仮説らしきものを複数オプション持ちましょう。
そして、仮説を絞るために「必要となる情報」を明確化して、
情報収集に取り組みます。
くれぐれも「手あたり次第」情報収集するようなことのなきよう、、、(^^;

■ イシューツリー

「必要となる情報」を明確にするには、イシューツリーを描くことが有効です。
そこで「必要十分条件」を見出すよう、論理構築してくださいね。

■ 演繹法と帰納法の関係

まだ、述べていませんでしたが、演繹法帰納法の関係について考えてみます。

演繹法は「一般的なルール」を判断材料とします。
その「一般的なルール」はどのようにして見出せばよいのでしょうか?
「一般的」と言っても、ここで欲しいのは「自分にとって有効なルール」ですよね。
必ずしも、理論書で述べられていることが適切とは限らないわけです。

ということで、演繹で用いるべきルールは、是非帰納法で見出してほしいのです。
基本は「自分のルールは自分で作る」というスタンスを持って下さい。

実務の中でのプロセスとしては、

(1)仮説構築に有効な情報を蓄積する
(2)それをもとに、仮説を構築する

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家弓 正彦

株式会社シナプス 代表取締役

マーケティング戦略を中心としたコンサルティング、マーケティングに特化した教育プログラムの提供を行っています。

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