処理能力は入力量に比例する

2009.02.27

仕事術

処理能力は入力量に比例する

伊藤 達夫
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

教育において、量というものを軽視する傾向が一時期あったと思います。「ゆとり教育」もその最たるものでしょう。ただ、情報エンティティが多ければ多いほど、その結びつきの可能性は大きくなりますよね?今日はそういうお話しです。

 最近も、量は軽視されています。

 すごーくテーマを絞った講義をやって、できるようになった気にさせるような講義が多いと思います・・・。私はそういうのは大嫌いです。

 すぐに役立つものは、役立たないのです。

 もしも、すぐに役立ったら、たまたま情報の蓄積が閾値に達していて、そのタイミングだった、という場合かもしれません。

 簿記を3日でわかるようになる!というのは、閉じた空間での出来事で、汎用性は一切ないですよね・・・。

 汎用性がある「考える力」をつけるためには、情報エンティティをとにかく入力し続ける。

 うーんうーんとうなって、そのエンティティ同士の結びつきを自ら作り出す。

 そうすると、あなたの頭に新たな秩序が形成されるんです。

 単純に考えてみましょう。

 もしも、エンティティが1つしかなかったら、結びつきは起こらないですね。

 もしも、エンティティが2つあったら、結びつきは1つです。

 もしも、エンティティが3つあったら、結びつきは3つです。

 もしも、エンティティが4つあったら、結びつきは6つです。

 もしも、エンティティが5つあったら、結びつきは10です。

 もしも、エンティティが6つあったら、結びつきは15です。

 と、きりがないのでやめますが、全体から部分をひくと、関係が残るというお話しをしましたね。記事はhttp://www.insightnow.jp/article/2517です。

 入力すればするほど、結びつきのありえる可能性はどんどん増えていきます。上記の例を限りなく繰り返すと、どうなるかわかりますよね。1からN-1までの和ですよね。N(N-1)/2ですね。

 二次関数なので、Nの増加に伴って、結びつきの数はすごい勢いで上昇していきます。当たり前です。

 その結びつき方というのが、頭の中で形成できる関係性の可能性。頭の中で作り出せる構造の可能性なんですよね。

 単純なエンティティを頭に入れるだけではなく、構造を頭に入れ続けると、ある意味、自分で結びつきを作り出すことを省略して、頭に入れることもできます。

 ただ、しっかりした結びつきを理解して頭に入れないといけない。

 じゃないと、4PやSWOTの目的を忘れて、4要素を単に分けて記述してどうするんだっけ?となるんです。

 目指す地点に向けて、目の前にある材料、エンティティの結びつきを作り上げるんです。それが、プランニングですよね。

 その時に、意外と全体と部分は相互影響する。実は全体像がぼんやり見えないと、部分の結びつきを作り出せない。

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伊藤 達夫

THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役

THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。

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