韓国人客の激減に振り回される地域はどうすべきか

画像: shankar s.

2019.11.27

営業・マーケティング

韓国人客の激減に振り回される地域はどうすべきか

日沖 博道
パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長

訪日韓国人観光客が激減した結果、窮地に陥っている九州各地の観光地。日韓関係が抜本的に改善する見込みが立たない以上、思い切って「脱・韓国人客」に舵を切るべきだ。

日韓関係の悪化により、韓国内では日本製品の不買運動や日本への旅行を自粛することを呼び掛ける反日キャンペーン「ボイコット・ジャパン」が幅広く、かつ根強く実施されている

その結果、日本を訪れる韓国人旅行者数が大きく減り、日韓間の就航便が運休する悪循環が生じており、九州各地や札幌など、一部の人気観光スポットは軒並み打撃を受けているとの報道が相次いでいる

こうした地域の業者の中には当然ながら、「いい加減、日韓の関係改善を図ってもらいたい」という悲鳴も上がっている。

しかしながらそれらの業者の声に同情して、日本政府に対し「韓国政府の主張通り、韓国に対する輸出管理措置の厳格化を取り下げてあげて」という国内世論が湧き上がっているかというと、寡聞にしてそのような声は聞こえてこない。

むしろ日本国民の多くは、確かに韓国人観光客の激減で困っている地域に同情はするが、エキセントリックな「恨」感情をぶつけてくる韓国民の「ボイコット・ジャパン」の動きや、自らの不審な行状を顧みないどころか米国を巻き込むためにGSOMIA破棄をちらつかせる(こちらは最近、ギリギリのところで条件付けながらも撤回されたが)韓国政府のやり方に眉をひそめているというのが実際のところだろう。

仮に韓国の思惑通りに、日本政府がここで腰砕けの妥協を示したとしたら、今度は国内世論の反発が政府・外務省に向かいかねない。日本政府とするとやはり「事態打開の責任は韓国政府にある」と毅然と主張するしかなかろう。

一方、反日世論への迎合にしか支持率低下の歯止めの手段を見出せない韓国・文政権としては、日本側の不信感の源である一連の反日政策(慰安婦問題日韓合意の一方的破棄、徴用工問題の放置、自衛隊機へのレーザー照射問題への不可解・不誠実な対応、日本海を東海と呼称変更させる国際キャンペーン、等々)を撤回することはもちろん、緩めることすらなかろう。政権のレームダック化を避けるためにも、むしろ新たな嫌がらせのネタ(東京五輪のドタキャン?)を仕込んでいる可能性のほうが高い。

であれば、最短でも文政権が続く間は(すなわち2022年5月までは)日韓関係の改善は期待薄で、韓国民の「ボイコット・ジャパン」も長期間続くと見たほうがよいだろう。つまり九州の観光地にとって、韓国人観光客が主力客として戻ってくるのを待ち続けるというのは展望なき方策だということだ。

では韓国人観光客の激減で困っている地域はそのまま衰退すればいいかというと、そんな訳にはいかない。何とか事態を打開し、地域の再活性化を図っていただきたい。

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日沖 博道

パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長

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