チロルチョコ会長が実践する「人材育成で唯一できること」

2017.12.22

経営・マネジメント

チロルチョコ会長が実践する「人材育成で唯一できること」

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南青山リーダーズ株式会社

コンビニのレジ横の定番と言えば「チロルチョコ」。 駄菓子屋の減少などから苦境に立ったチロルチョコも、コンビニへシフトしたことでV字回復。さらには、「きなこもち」が大ヒットするなど、バラエティに富んださまざまな商品や、最近ではユニークな社長交代の広告で話題になっている。 チロルチョコ株式会社の松尾利彦会長に文化放送『The News Masters TOKYO』のパーソナリティ・タケ小山が、松尾流の社員の育て方や事業を継承する新社長の息子について聞いた。

チロルチョコはカルトだ

20代で入社した時に、今後のブランド展開について考えたという松尾会長。

松尾:
大手のようにはなれないし、カルト文化が好きだったので、そういうブランドになれたらいいなと思いました。

もともとアートが好きで、アメリカで留学中にアンディ・ウォーホールを好きになった松尾会長。日本に無いキッチュなブランドを目指した。

タケ:
チロルチョコとは一体何ですか?

松尾:
私自身かな。

企画はすべて会長が担ってきたため、自分の好みがすべて反映されているのだそうだ。その根源には子供の頃のある経験があったという。

松尾:
昔、いじめられっ子だった。マジョリティに対して、反発心があって。権威とか大きいものに、本能的に反発しちゃうんです。

チロルチョコの正体は松尾会長自身、しかも幼い頃の体験から生まれた反発心が、あのチョコには凝縮されているのであった。

松尾流・商品開発&人材育成術とは?

タケ:
商品開発に必要なことは何でしょうか?

松尾:
チロルチョコに関して言えば、遊び心ですかね。大事って言うか、自分はずっとそれでやって来ました。

自分がワクワクする、楽しんで企画を考えるっていうことが、チロルチョコに関しては必要と説く松尾会長。続けて、タケは人材育成についても聞いてみた。

タケ:
会社の運営もトップの仕事。どんな社員を育てているのでしょうか?

松尾:
僕は人を育てられるって一度も考えたことないんです。唯一できるのはチャンスを与えること。“やってみる?じゃあ権限を与えるよ”とそのくらいですね。

そうして、「ダメだったら次に向かう」と答える松尾会長。人を育てるのは難しく、常に社員にかけている言葉もないという。さらに言うと、業界の集まりにも出席せず、会社の懇親会も乾杯だけやって、すぐ中座するのだという。その裏側にはどんな意図があるのだろうか?

松尾:
僕がその場にいることで周りが気を遣うじゃないですか。言いたくもない、ヨイショもする。こっちもそれを分かっていて“やぁやぁ”って言わなきゃいけない。

チロルチョコを次の世代へ

日経MJに大きな広告が掲載され、話題となった息子さんへの社長交代。今後のチロルチョコについてタケがインタビューを続ける。

タケ:
社長を継がれた息子さんはどんな人でしょうか?

松尾:
息子はまったく僕と違うタイプで、企画はお手上げなんだけど、管理者としては優れていますね。きちっと仕事ができる人間です。

興味深いことに、息子とは言えタイプが逆の現社長。しかしそこでタケには、こんな疑問が浮かぶ。

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