ステマだステマだって、じゃぁどんなのなら大丈夫なんだ?

2012.02.06

営業・マーケティング

ステマだステマだって、じゃぁどんなのなら大丈夫なんだ?

安田 英久
株式会社インプレスビジネスメディア Web担当者Forum編集長

今日は、ステマについて……ではなく、マーケティングの倫理とあるべき姿について。最近よく言われている「ステマ」とは? 何が問題なのか、どうするのがいいのでしょうか?

日本の法律には「素性を偽り、宣伝だとわからない形で宣伝をする」ことを禁じる法律は、私の知る限りはないようなのです。

しかし米国では、日本の公取にあたるFTCが2009年10月に広告のガイドラインを改訂し、ステルスマーケティングを禁じるようになっています。広告主がブロガーなどに報酬を支払ったり商品を無償提供したりしている場合には、ブロガーはそのことを消費者にわかるよう明記する必要があるといった内容で、違反すると1件につき最高で1万1000ドルの罰金が科されるという罰則付きです。

                   ◇   ◇   ◇

このあたり、関係性がある場合は明示するということは、まっとうなところならばFTCの改訂以前からやっていることです。SEOmozでも、記事で扱っている製品や企業と何らかの関係(クライアントである、知人であるなど)場合は、その旨を記事内で示していることがありますよね。Web担当者Forumでは、広告記事にはすべて記事冒頭に「PR」の表記を(小さいですが)入れています。

そうした関係性を表には出さずにこっそりと行う広告が「クールだ」とみなされていた時期があったのも確かです。また、費用対効果が(そのときは)良く出たかもしれません。しかし、それは長くは続きません。そうした「消費者を欺く」行為を続けていると、長い目で見ると消費者の信頼を失い、社会全体として広告コミュニケーションの全体的な効率が下がっていくものです。

本来ならば広告主・代理店・メディアが一緒になって「消費者が情報を判断するコストが低く、安心して情報に触れられる」社会を作っていくべきなのですが、参入障壁があまりにも低いネットの影響が強くなった今、そのあたりも法律で制限する必要が高いのかもしれませんね。

消費者庁には、日本でも米国FTCの定めるガイドラインと同様に、素性や背後関係を隠し消費者を欺く形での広告を禁じる法律を定めるよう動いてほしいところです。

それまでは、「口コミでも紹介でも、その情報に関して金銭や商品をはじめとする便宜の提供がステークホルダーからあるのならば、それを明記する」ようにすることが、まっとうな広告主のとるべき道であり、広告代理店やサービス提供事業者もそうした方針に基づいて行動するべきなのではないでしょうか。

※この記事は、Web担当者Forum(Web担)に掲載した編集部コラムを転載しています。
元記事:ステマだステマだって、じゃぁどんなのなら大丈夫なんだ?
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