これからは調達・購買に投資する企業が生き残る

2011.03.03

経営・マネジメント

これからは調達・購買に投資する企業が生き残る

中ノ森 清訓
株式会社 戦略調達 代表取締役社長

レアアースの中国依存からの脱却に、110社が総額1,100億円を投じる。当面、コスト削減どころかモノを確保することすらままならない厳しい環境が続く一方で、一早くそうした厳しい環境を認識し、手を打つべく調達に投資している企業もあるのも事実だ。 「2010年の週間 戦略調達から2011年の調達・購買業務を展望する」の号でも述べたが、やはり、今年は、調達・購買に投資できるか否かで、経営の成否が大きく分かれる年になりそうだ。

反面、需要の盛り上がりに欠ける中、資源価格の高騰を販売価格に転嫁できる市場は限られている。貴社の中で資源価格の高騰を吸収していくしかないケースが殆どであろう。

加えて、中東や中国における政情不安から、近年にない形で、カントリーリスクという言葉が現実味を帯びてきている。政変が起こって、供給が細ってからでは、それへの対応は間に合わない。

危機への対応において、代替の調達手段がない時に交渉力などほぼ無意味である。長年の信頼関係であっても、相手によっては無意味であり、例え、相手も信頼関係に基づき、貴社を最優先に考えていても、物理的にモノが無い、政変によって輸送手段が押さえられてしまっているというような事態になっては、相手が幾らモノを出したくても出せない状況というのは幾らでも出てくる。

この様な状況において、数少ない打ち手は、今回の各社の対応にある通り、使用量を減らす、使わないようにする、代替手段、代替品を使えるようにするといったものに限られる。これらの打ち手には投資が必要だ。

これからは、調達・購買に投資する企業しかモノが手に入らない時代が来ている。

中ノ森 清訓/株式会社 戦略調達 代表取締役社長

調達・購買業務に関わる代行・アウトソーシング、システム導入、コンサルティングを通じて、お客様の「最善の調達・購買」を実現することにより、調達・購買コスト、物流費用、経費削減を支援する傍ら、日本における調達・購買業務とそのマネジメントの確立に向け、それらの理論化、体系化を行なっている。
コーポレートサイト: http://www.samuraisourcing.com/

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中ノ森 清訓

株式会社 戦略調達 代表取締役社長

コスト削減・経費削減のヒントを提供する「週刊 戦略調達」、環境負荷を低減する商品・サービスの開発事例や、それを支えるサプライヤなどを紹介する「環境調達.com」を中心に、開発・調達・購買業務とそのマネジメントのあり方について情報提供していきます

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