何かにつけ、否定的な発言、後ろ向きな発言をする中堅社員の部下がいます。 例えば、新しいことを始めようとすると、できない理由を並べ立てます。また、私の知らないところで、会社が悪い、お客さんの考え方がおかしい、などと批判的な発言を繰り返しているようです。
彼の言動が、プロジェクトチームの雰囲気を悪くし、特に若手社員のモチベーションを下げている元凶となっています。
一度、余りにも目に余るので厳しく指摘をしたのですが、逆に私に対して距離を置き始めるようになりました。
彼の意識を変えるにはどうしたらいいでしょうか?
(IT プロジェクトマネージャー 男性 34歳)
【答】あなた自身の不安と向き合うべし
あなたのチームは典型的な組織病です。
『不安』というウイルスが伝染し、チーム全体のモチベーションが下がっています。
リーダーであるあなた自身が今、不安な気持ちになっていないでしょうか?
1)ネガティブな発言をされると、プロジェクトがうまくいかない
2)うまくいかないとお客さんの評価が悪くなる
3)お客さんの評価が悪いと、会社からの評価も悪くなる
4)そうしたら将来、自分は、家族はどうなるのだろう・・
5)この原因を作っているのは、あいつだ
6)あいつを何とかしないと・・→1)に戻る
もし、こんな思考が頭の中に巡っているのでしたら、リーダーのあなたが不安ウイルスの発信源にもなっているのです。
なので、インフルエンザ・ウイルスを撒き散らすがごとく、その部下(以下Aさんとします)に対して何かをすればするほど、あなたもチームも悪循環にはまっていきます。
親と子供の関係にも似たことがあります。子供が泣き止まない、我がままをいう、叱っても言う事を聞かない。よその家の子供と比べたりしだすと、親がどんどん不安になります。子供の行為が自分を不安にし、苦しめる原因だと思い込み、結果、子供に対して暴力を振るったり、「あなたなんか産むんじゃなかった」などと、存在を否定するような発言をしてしまったりする。子供はさらに不安に。そして、親もそんな言動に走る自分を責め、さらに不安が膨らみ・・・負のスパイラルです。
余談ですが、15年前と比べて、児童相談所に寄せられる子供の虐待の相談件数が30倍(1年で3万数千件)に激増しているそうです。
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/kyousei_news/20050620ik13.htm
Aさんを変えようとする前に、あなた自身の不安と向き合うこと。これが一番大事なことです。
不安に向き合うには、2つの方法があります。
一つは、不安の発信元となっているAさんの心の状態を深く理解し、Aさんを受け入れること。Aさんの行動を容認するわけではありません。Aさんに対するあなたの気持ちを消化するのです。
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