なぜこの国に、“モミ消しのプロ”は存在しないのか

2009.12.21

経営・マネジメント

なぜこの国に、“モミ消しのプロ”は存在しないのか

ITmedia ビジネスオンライン
“ニュースを考える、ビジネスモデルを知る” ITmedia 編集部

ジャーナリスト・上杉隆氏をホストとする対談連載1回目。事件などを追い続けているノンフィクションライター・窪田順生氏を招き、メディアの現状や課題などを語り合った。 [土肥義則,Business Media 誠]

上杉 とんでもないカルチャーですね(笑)。

朝日新聞を3カ月で退職


窪田 「オレの強盗体験」といったことも平気で掲載していました(笑)。そこでは編集者として働き、その後、朝日新聞に就職しました。なぜ朝日新聞に転職したかというと、これまで裏社会ばかり見てきたので、少しは表の世界を見ないといけないなあと思いまして。でないと、自分の「バランスが悪くなるかも」と感じたんです。そして入社後、岐阜支局に配属され、岐阜県政を担当しました。とはいっても、3カ月で辞めちゃいましたけど(笑)。

土肥 どうして朝日新聞を辞められたんですか?

上杉 つまらないですよね。

窪田 おっしゃるとおり、つまらなかったです……。

上杉 そりゃあそうでしょう。雑誌の記者や編集の仕事をしてきた方が、いきなり朝日新聞で働いても「面白くない」と感じるのは当たり前。

一同笑い。


上杉 多くの人は朝日新聞で働いている方が“立派”と感じるかもしれませんが、取材活動をする上では単に組織の歯車になってしまうつまらない職場ですよね。

窪田 本当につまらなかったですね。また僕の場合は新潟県で起きた少女監禁事件※の取材をしたかったので、「もう朝日新聞で働くのはいいや」と思い辞めたんです。

※新潟少女監禁事件:2000年1月、新潟県柏崎市四谷の自宅2階で9年2カ月に渡って、少女が監禁されていることが発覚した。

 そのあとミリオン出版に就職し、そこで『実話ナックルズ』という、いわゆる“カストリ雑誌”(大衆向け娯楽雑誌)の編集をしていました。そこの久田将義編集長は『噂の眞相』※の岡留安則編集長と親交があり、「第2の噂の眞相を作るんだ」という意気込みで『NONFIXナックルズ』(のちに『ザ・ハードコア・ナックルズ』)を作りましたが……やがて休刊になってしまいました。

※噂の眞相:1979年3月に編集発行人・岡留安則氏によって創刊された月刊誌。政治経済から芸能界ゴシップまで「タブーなき雑誌」を標榜した雑誌だったが、2004年4月に休刊した。

 そこで裏社会の組織や人間を取材していたのですが、PRコンサルタントの仕事をしてみようかな……ということで、今は“会社の内側に入る”仕事をしています。企業の危機管理などを担当していて、不祥事やスキャンダルが起きたときのメディア対応をお手伝いしています。

上杉 いわゆるスピンドクター(情報操作の専門家)をやっているんですね。世界的に見てスピンドクターは重視されていますが、日本だけはそうではない。おそらく危機が目の前にあることに気づいていないのでしょう。政府も会社も組織も、いわば“丸裸”でいるようなもの。全員が丸裸だから、いいのかな(笑)。

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