日本最大の購買支援サイト『価格.com』成長の秘密 最終回

2009.09.29

開発秘話

日本最大の購買支援サイト『価格.com』成長の秘密 最終回

INSIGHT NOW! 編集部
インサイトナウ株式会社

月間利用者数約1900万人、掲載アイテム数5000万。日本最大の購買支援サイト『価格.com』が好調だ。世界的不況の中でも利用者は増え続け、業績も安定している。創業以来、着実な成長を遂げ、ホテル予約、グルメ、マンションなどさまざまなジャンルへと進出する株式会社カカクコム。その事業の柱である『価格.com』成長の秘密に迫る。

最終回 「値段の付いているもの、すべてを網羅したい」

■横展開、そしてモノからサービスへの展開

「値段のついているものはすべて価格.comで比較可能にしたいと常に考えていました。そこから次の展開が始まったんです」

パソコン関連の次にサイト掲載されたのは家電である。家電の次はエリアを秋葉原からお茶の水界隈にシフトし、一帯に多いスポーツ用品を扱うようになった。そしてブランド品へと慎重に扱い商品ジャンルを広げていった。

「一つ新しいジャンル展開するたびに、パソコンの比較と同じプロセスの繰り返しです。最初は何だお前らはという感じでメーカーさんにも店舗さんにも相手にされませんが、ユーザーを掴んでしまうと、力関係が微妙に変わっていく。そうやって一つずつ、新しい商品ジャンルを開拓してきました」

やがて扱うのはモノに限らなくなってくる。たとえば保険の一括見積もりだ。ちょうどタイミング良く保険の自由化が始まり、ここにビジネスチャンスありと見た価格.comは、保険の一括比較サービスを立ち上げる。

「ところが保険はサービスです。具体的なモノではないだけに難しかった。厳密に比較しようとすればするほど、各社ごとに微妙に保障内容やサービスが異なりますし、契約者のニーズによって必要な保障内容も全く変わってくる。いろいろな課題が浮き彫りになってきました。さんざん検討した結果、同一商品として一律に比較してみせることができないのが保険です。そこで考えたのが、ケースを示すことでした」

同一商品としての比較が難しいのであれば、実際に保険を契約するユーザーの立場にたって、保険会社各社の見積もり結果を比べればいい。用意されたのが20パターン近くの契約者の事例集だ。これなら自分と近い条件の人を参考にして、各社の保険を比べることができる。

「これも一部の大手保険会社さんからは嫌がられましたね。なんで、そんな頼んでもいないことをするんだって。でもユーザーメリットを考えれば、すべてを比較しないと意味がないわけです」

そもそも保険を比較して選ぶという習慣を、私たちは持っていなかったはずだ。保険とはそうした比較になじまない商品、そんなイメージがいつの間にかすり込まれていた。圧倒的な情報の不均衡もあった。しかし、誰かが情報をきちんと整理して比較できるような仕組みをしっかり作れば、比べてみたくなるのは自然な流れである。

「おかげさまで今では、相当な数のお客様に使っていただけるサービスになっています。当然、このサービスを経由して保険会社さんから頂く手数料も、私たちの重要な収入源の一つになっています」

次のページ『株式会社カカクコム 関連リンク』

続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。

Ads by Google

この記事が気に入ったらいいね!しよう
INSIGHT NOW!の最新記事をお届けします

INSIGHT NOW! 編集部

インサイトナウ株式会社

INSIGHTNOW!運営事務局/編集部です。

フォロー フォローしてINSIGHT NOW! 編集部の新着記事を受け取る

一歩先を行く最新ビジネス記事を受け取る

ログイン

この機能をご利用いただくにはログインが必要です。

ご登録いただいたメールアドレス、パスワードを入力してログインしてください。

パスワードをお忘れの方

フェイスブックのアカウントでもログインできます。

INSIGHT NOW!のご利用規約プライバシーポリシーーが適用されます。
INSIGHT NOW!が無断でタイムラインに投稿することはありません。