「マックスコーヒー」33年目の全国侵攻・その勝機

2009.02.22

営業・マーケティング

「マックスコーヒー」33年目の全国侵攻・その勝機

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

「マジ ハンパなく バリ 甘い」。とにかく目立つクリエイティブとベタベタなコピーが目を惹く駅貼りポスターがそこかしこに掲げられた2月。それは、千葉県民・茨城県民のソウルドリンク、「マックスコーヒー」が全国に販売エリアを拡大した証だった。

一つ注目したいのは、「ジョージア」ブランドに組み込まれても、全国区での発売とはならなかった点だ。ウィキペディアによれば、2006年に都内繁華街や駅及びその周辺に拡大。2007年北海道、2008年 愛知県・香川県・愛媛県・大分県・宮崎県などでの販売が拡大されているようだ。
このようにジワジワとした拡大路線であるのが、2009年に一気に全国拡大となったわけだ。ナゼ、この時期なのか。

上記から変化点と考えられる2006年~2009年の環境を分析してみよう。まずはマクロ環境分析のフレームワーク、「PEST」だ。
「Political(政治的な影響要因)」=健康保険法が改正され、厚生労働省は2008年度から健康保険組合にメタボ対策を義務付けた。
「Economical(経済的影響要因)」=戦後最長の「いざなぎ越え」ともいわれた好景気は徐々にかげりを見せ始め、格差社会が拡大。そしてついに、米国発の金融不安に端を発した経済危機が昨秋勃発した。
「Social(社会的影響要因)」=2005年テレビ東京が「元祖!大食い王決定戦」を放映。ギャル曽根を筆頭とした大食いタレントがもてはやされ、各局が追随し、大食い番組を制作。
2006年日本マクドナルドより、以後、牛丼、コンビニ弁当などにも商品大型化(メガフード)の影響を与える「メガマック」が発売される。2008年秋、さらに大型のクォーターパウンダーに引き継がれる。
「Technological(技術的影響要因)」=2005年~2006年にかけて日本のBlog人口は倍増。SNS人口は6.5倍の伸び。自身の体験を簡便に発信することが可能となった。

以上のファクトからどんな「意味合い」が抽出できるのか。
まずは、「大食いブーム」に注目してみたい。当初、エンターテイメント的に扱われていた大食いとメガフードであるが、景気の悪化に伴う消費者の可処分所得の減少によって、「コストパフォーマンス(コスト・パー・カロリー)のいいもの」と受け取る層も増えてきた。
一方、メタボ防止のためにカロリー摂取に関してうるさくいわれる環境が蔓延し、その動きに反発する層も一部で増加した。さらに、各種メガフードを食べ、体験をBlogやSNSで発信する人も増え、メガフードファンがさらに拡大した。
つまりこの時期に、高カロリー食品に対して、「メタボだなんだとうるさくいわれたくない!」という反発心と、ファストフードなどに代表されるように、コストパフォーマンス良く「その一品で満足できる」というものが求められ、ネットなどを通じてファン層を拡大したのだ。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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