企業価値とコミュニケーション能力(後編)

2007.06.02

経営・マネジメント

企業価値とコミュニケーション能力(後編)

後久 和宏
株式会社エクスマート 代表取締役

前回の記事では、企業価値を一番左右する「コミュニケーション能力」について私見を展開しました。その中で「相互の信頼関係を向上させる能力」と「相手のモチベーションを高める能力」の重要性を説いたのですが、今回はこれらの能力に対してITはどうのように活用されるべきかについてお話したいと思います。

結論から言うと、企業において、これらのコミュニケーション能力向上・支援のための投資は、いわゆる「攻めのIT投資」であり、このような投資をお客様に薦めることで、お客様の企業価値を高めるIT投資を実現して頂けると私は考えます。

攻めのIT投資とは、ビジネス開発・製品開発・新規顧客獲得分野に対するIT投資です。日本ではまだまだ守りのIT投資である、業務効率化・コスト削減・生産性向上に留まっている企業がほとんどです。

守りのIT投資は、基本的に業務をまとめることでシステム化しやすく、IT化に最もなじみます。基本的には堅実な投資ですから、日本人らしい投資であり、SIer(システムインテグレター)がお客様の業務要件をまとめ、それをIT化するという従来のシステム開発です。この保守的な現状のIT投資が、日本の経営者のIT投資への後ろ向きな最近の風潮の原因であると一般的にいわれています。なぜそのようになってしまうのでしょうか。守りの投資は確かに必要なのですが投資に対する効果がわかりずらかったり、過去に投資したシステムが日々巨大・複雑化し、負の遺産になり次の投資意欲の抑制となっていることが多いためです。

さて、攻めのIT投資であるビジネス開発・製品開発・新規顧客獲得は、守りのIT投資と比較してみると、発想やビジネス開発分野なので、一筋縄でシステム化することは困難と言えます。つまり、ビジネスモデルや企画を思いつくのはパーソン(人)なのでそのロジックをIT化することは現在では無理です。しかし、その発想を間接的に支援する仕組みをIT化することに私は着目します。

守りのIT投資である業務効率化・コスト削減・生産性向上とは、企業内のコミュニケーションの「効率化」をITで実現するためのものです。

攻めのIT投資であるビジネス開発・製品開発・新規顧客獲得とは、「相互の信頼関係を向上させる能力」と「相手のモチベーションを高める能力」のようなコミュニケーションの「活性化」の土台となるところをITで実現するためのものです。

つまり、お客様にIT投資をしてもらい本当にその効果を感じてもらうためには、守りのIT投資の要件に攻めのIT投資の提案で応える必要があります。

コミュニケーションの効率化だけでなく活性化を意識すると、企業における「相互の信頼関係を向上させる能力」と「相手のモチベーションを高める能力」に対する支援のIT化の重要性が見えてきます。

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