360度評価の落とし穴

2007.05.17

組織・人材

360度評価の落とし穴

横井 真人
産業能率大学 教授

自分って周りはどう見ているのでしょう。360度評価をすることで「つもりの自分」と「周りから見た自分」を比較すると思っても見なかった事実を突きつけられます。でもそこで終わってはもったいない。

先輩:「お前まっすぐ打ってるつもりか?」
私:「はい、もちろん。でもうまくいかないんですよ」
自己評価と他者評価は一致
先輩:「お前はボールの頭をたたいているのか下かどっちだ?」
私:「よく分かりません」
先輩:「芝生がえぐれてるだろ、下を削ってるんだよ。それも大量に」
私:周囲を見る「そうですね・・・スゴッ、直さなきゃ」
他者評価で事実を認識する
先輩:「頭は動いているか?」
私:「動かしていないです」
先輩:「バカ、となりで見てるとインパクト前にぐっとさがってるぞ」
他者評価でギャップ判明
私:「どうすればいいんでしょう」
課題の認識と解決意欲の表示
先輩:「頭を固定しないと縦にぶれるだろ、なぜそうなるんだ?
お前ボールに当てようとして力みすぎていないか?」
課題と原因の追究
私:「それはありますね。」
課題の気づき
先輩:「逆に頭があがるとボールはトップするな」
私:「それもよくあります。ゴロですよね」
さらなる課題の気づき
先輩:「それはボールを上にあげようする気持ちのあまり、
インパクトの時、頭や体がひょいっとあがっちゃうんだな」
さらなる原因の追求
私:「なるほど、気がつかないうちにいろいろ体が勝手に
動いていたんですねぇ・・・」
原因に納得
先輩:「だったら、まず頭を動かさないことだな」
改善策の提示
私:「そのようにやってみます」ブンとスイング。
改善策の実行
先輩:「お、いいぞ、その調子」
他者評価での改善度合いのチェック

というように、自己評価と他者評価のギャップから問題を掘り下げ、
原因を究明し、行動レベルで確認できるような改善計画を立てる
ことが必要となります。
ゴルフもテニスも仕事も人間関係も、理屈は同じです。
どれも人間の行動ですから。

先輩:「さていつまでつづくかな」
私:「飽きっぽさが私の一番の課題ですかね」
いまだにゴルフのスコアは100を切りません。

次回につづく。

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横井 真人

横井 真人

産業能率大学 教授

個人と組織のパフォーマンス向上を研究。人の行動をスキル、知識、行動意識、感情能力、価値観等の要素に分解し、どの要素が行動に影響を与えているかの観点からパフォーマンスを分析。職場のコミュ二ケーション、リーダーシップ、チームビルディング、ファシリテーション、ソリューション営業、マーケティング等の具体的施策に視点を活用する。

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