ストロー廃止で何が変わる?マイクロプラスチックごみが警告する海洋問題(前編)

2018.08.02

経営・マネジメント

ストロー廃止で何が変わる?マイクロプラスチックごみが警告する海洋問題(前編)

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“災害”と言われるほど猛烈な暑さが続いている今夏。アイスコーヒーやジュースなど冷たいドリンクを飲むのにストローを使った人も多いことでしょう。 今、このストローが世界中で大問題になっていますね。 大手コーヒーチェーンのスターバックスは、現在利用しているプラスチック製のストローについて2020年までに使用をやめると発表しました。マクドナルドも英国やアイルランドの店舗でプラスチックストローの利用を段階的にやめ、紙製ストローを導入する方針です。 その理由は「マイクロプラスチック」と言われる微小のプラごみが海を汚染していることに起因するのですが、なぜストローばかりがこんなに注目を浴びているのでしょうか。マイクロプラスチックごみにかかわる問題について考えてみましょう。

マイクロプラスチックとは

初めに、「マイクロプラスチック」について、知っておく必要があります。
メイン画像のように、海岸に打ち寄せられた大量のプラスチック、缶、瓶などのごみを見たことがあるでしょうか? 私たちが日常使用しているレジ袋やペットボトル、バケツなどのプラスチック製品が海に流された場合、それらは紫外線や温度の差、波の動きや海水の塩分など、さまざまな影響を受けて劣化していきます。海洋で細かく砕け、やがて5ミリ以下の微小な粒となったプラスチックが「マイクロプラスチック」と呼ばれるものです。

さらに、歯磨き粉や洗顔料で研磨剤やスクラブ剤として使われている「マイクロビーズ」と呼ばれる製品もマイクロプラスチックです。つまり、私たちがそのような製品を利用するたびに、「マイクロプラスチックごみ」を排水口から海へ流していることになります。意外とこの点について知らない人も多いよう。私たちは知らず知らずのうちに、日常生活の中で「マイクロプラスチック」を排出しているようなのです。

回収困難。やがては生態系が崩れることに

大きな問題は、マイクロプラスチックは、自然界で分解されない点にあります。「マイクロプラスチックごみ」は小さくて細かく軽いために、海流に乗って世界中の海へ広がり漂うことになります。あまりにも微小であるがゆえ回収は困難であり、魚や海鳥が餌と間違えて食べてしまう事例が増えています。餌と間違えて食べた魚や海鳥は、内臓や消化管が傷つき死に至りますが、その連鎖が続けば、やがては生態系が崩れることになりかねません。しかも、このマイクロプラスチックに化学物質が付着している恐れがあり、食物連鎖によってさらに濃縮される可能性が指摘されているのです。

魚や貝を通じて人体に有害な汚染物質が蓄積すると危ぶまれているわけですが、現段階では汚染物質の摂取量が少ないため、顕著な影響はみられていません。ただ、今後、摂取量が増えた場合に、内分泌系や免疫系に異常をきたさないともいえず、未解明な部分が多いだけに注視していきたいところです。

日本の海も、マイクロプラスチックに汚染されている

世界経済フォーラムの報告書によると、世界のプラスチックの年間生産量は1964年では1500万トンでした。それが2014年には3億1100万トンと、わずか50年でその量は20倍超とになり、2050年には推計11億2400万トンに上ると想定されています。
このうち、少なくとも毎年800万トンが海に流れ出ている可能性があり、このままだと海の中のマイクロプラスチックごみの総重量は世界中の海にいる魚の重量を上回ると予測されています。

次のページ全米の合言葉は「No straw, please.」

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