のびしろを持つということ

2014.04.16

経営・マネジメント

のびしろを持つということ

野町 直弘
調達購買コンサルタント

人生や物事にとって「のびしろ」や「のりしろ」はとても大切なことなのです。

「考えるのでなく、感じなさい。」これは私が中学生の頃に尊敬する恩師から教わったことです。何かを見た時、触れた時の最初の印象、これを大切にしなさいということです。
恩師はこの時こう教えてくれました。人間は考えることよりも感じることの方が難しいと。
実際に「感じる」ということはとても難しいことです。何故ならかなり意識しないと
「何も気づいたりしない」からです。日頃と同じ景色や日常生活の中で何かを感じること、これはいつもの繰り返しだから、となったら何も感じたり気づいたりしないからです。

今回このようなことを書くきっかけになったは昨年秋に実施した研修のアンケート結果をお客様から教えていただいたからです。
この研修(時間的には2時間程度であり講演的な内容ですが)は政府関連の独立行政法人の若手会計事務職員向けの研修会です。この研修は財務省から依頼を受けて『民間企業における調達の取組み』を伝えるプログラムを立上げたい、ということから依頼を受けたものでした。私はこの研修について依頼は受けたものの、若手会計事務職員が対象であり、契約担当職員ではいこと、また、そもそも公共調達の仕組みを教える傍らで民間の話をしたところで、チンプンカンプンでは、ということを依頼元にはお伝えしました。また、公共調達は様々な法的な制約もあり、「民間がこうやっている」という話をしても、自分達の仕事や業務に落とし込んで考えられる人は殆どいず結局『だから、何なの?』で終わってしまうのではないか、という危惧も持っていました。ですから是非とも今回の研修後の声を聞いて、どのような内容を聞きたいのか、フィードバックして欲しいとお伝えしていたのです。

結果的にはたいへん好評だったようです。

『民間調達がどのようにしているか、現状やその手法を知ることができて、視野が広がり大変勉強になった。大変わかりやすく参考となる講義だった。』
『民間調達は、得意先の業者から物品等を調達していると思ったが、複数業者に競争させて調達していることを初めて知った。また、調達することにあたって、量・コストなどプロセスの透明化を図る指標や目標をしっかり立てて、そこに重きを置いているということが興味深かった。』
『公共調達と民間調達についても共通の課題があることに驚いた。』
『公的部門でも進んでいる点があるというとらえ方は、そうした見方もあるものだと勉強になった。』
等々
このフィードバックを受けて私はとても嬉しく感じました。何が嬉しいかと言いますと「感じ」たり「気づい」たりがそこにはあったからです。

今回の研修の参加者には「のびしろ」を持つ方が多くいらっしゃったのでしょう。
「のびしろ」を持たなければ私の話はきっと退屈な遠くの世界の話で終わってしまったことでしょう。

「のびしろ」が大切なことを再認識する良いきっかけとなりました。

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野町 直弘

調達購買コンサルタント

調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。

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