2010年の週刊 戦略調達から2011年の調達・購買業務を展望する

2011.02.11

経営・マネジメント

2010年の週刊 戦略調達から2011年の調達・購買業務を展望する

中ノ森 清訓
株式会社 戦略調達 代表取締役社長

「週刊 戦略調達の2010年の記事を振り返り2011年を占う」記事投票にご協力頂いた方、ありがとうございました。 今号では、投票結果から、2011年の調達・購買業務とそのマネジメントの方向性を展望する。

今回の投票で支持を集めた記事は、

【vol.69 2010.8.3】企業は取引先が8割5分
http://www.samuraisourcing.com/knowledge/weekly/69.html

(投票理由)
「部品不足や素材の高騰の中、取引先との関係を含め、調達部門の重要性を再認識した。また、調達における選択肢を広げる活動の重要性も再認識した。」等

【vol.81 2010.10.26】数字はツールであって、ゴールではない。J1大宮、入場者数水増し
http://www.samuraisourcing.com/knowledge/weekly/81.html

(投票理由)
「2008年末の急激な落ち込みから徐々に回復してきている今、早く3年前の実績にキャッチアップしようと、対3年前比で達成度を語られることが多いように思います(少なくとも弊社では)。誰だって当時の良い状況に戻りたいですが、市況の変化を考慮しないまま良き時代の目標を掲げることは、ひずみを生じる原因になるのではと感じた記事でした。」等

【vol.84 2010.11.16】価値創造とコスト低減を両立させよう
http://www.samuraisourcing.com/knowledge/weekly/84.html

(投票理由)
「現在の日本の状況に触れているため。」等

以上の結果から、弊社では以下の展望とそれが調達・購買業務とそのマネジメントについて考察する。

■ 現状に対する厳しい認識と2011年の展望

「価値創造とコスト低減を両立させよう」の記事は、グローバル競争、ハーフエコノミー、長期的資源高のトレンド、加えての円高という中で、価値創造とコスト低減を両立させていくことを訴えたものだ。

「企業は取引先が8割5分」の投票者の方が感じているように、素材高騰は少なくとも2011年の間は数多くの分野で続くだろう。

また、「数字はツールであって、ゴールではない。J1大宮、入場者数水増し」の投票者の方が述べるように、リーマンショック前の対3年前比で達成度を語ることのなんとむなしい事か。

いたずらに悲観する必要はないが、環境認識、目標設定においては、現実的になり、現状から努力してやっと手が届くか届かない位、つまり現状の自動延長の1.3倍位がちょうど良い。

さもないと、「数字はツールであって、ゴールではない。J1大宮、入場者数水増し」の投票者の方が指摘する通り、現場のオペレーションにひずみが生じる原因になってしまう。

次のページ2011年の現実的な経営の前提を考えると、資源高、先進...

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中ノ森 清訓

株式会社 戦略調達 代表取締役社長

コスト削減・経費削減のヒントを提供する「週刊 戦略調達」、環境負荷を低減する商品・サービスの開発事例や、それを支えるサプライヤなどを紹介する「環境調達.com」を中心に、開発・調達・購買業務とそのマネジメントのあり方について情報提供していきます

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