日本を見限ったキリン&サントリー

2009.07.16

経営・マネジメント

日本を見限ったキリン&サントリー

竹林 篤実
コミュニケーション研究所 代表

何とも唐突感のあったサントリーとキリンの経営統合だが、その背景をじっくりと考えてみよう。そこからは「切羽詰まった」ということばしか浮かんでこないのではないか。

人口が減るというのは、そういう社会になるということだ。さらに、悪い予想を重ねてみる。格差社会の固定化である。格差社会の本質的な問題点は、世代を重ねることによりかくさの『拡大』再生産と固定化にある。

つまりいわゆる「下層社会」にひとたび位置づけられてしまったら、そこから這い上がる可能性はどんどん小さくなり、何もしなければさらに下流へと押し流されることにある。これがマーケットにどんな影響を与えるか。可処分所得に余裕のある購買層がどんどん減って行くことになるはずだ。

将来の若者の総合的な購買力は、漸進的に減っていくのだ。こうした事態を、ほぼ確実な未来としてキリンとサントリーは読んだ。特に危機感が強かったのは「次世代研究所」をもつサントリーではないか。だから同族経営、非上場というこれまでのサントリーアイデンティティを捨ててまでキリンとの経営統合に走った。

この激烈ともいえる危機感から学ぶべきである。

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