ブギウギからディスコ、クラブへ

2023.11.12

ライフ・ソーシャル

ブギウギからディスコ、クラブへ

純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 哲学教授

/戦後の日本、田舎者たちが都会に寄せ集められ、村祭りの盆踊りに代えて、ダンスホールやディスコに集い、みんなで踊った。しかし、それも、バブル崩壊で、それぞれの好みの音楽に特化したライブやクラブの箱に散っていく。/

そして、いよいよとどめ、91年のジュリアナ東京。もうバブルそのもの、見栄っ張りと露出狂のバカばっか。ただ、音楽的には、T99のアナスタシアを皮切りに、ラップ、フーバー(掃除機)ノイズやオーケストラヒット、スクリームサンプリング、おまけにサイレンまで多用してBPM144まで上げた狂乱のEDM(Electric Dance Music)を作り上げる。しかし、いいかげん、店の方が嫌気がさして、お立ち台も廃止したが、それでも田舎者の見物客が集まるので、バブルが終わる前、94年にはもう閉めてしまった。

それでも、94年、ふたたび六本木にavex直営でVelfarreができた。土地柄、芸能人も多く、低年齢化も目立った。アジア最大をうたったが、じつは倉庫のGOLDよりは小さい。だから、混み混みで、もはや踊るスペースも無く、手踊りのパラパラなんていう変なものができた。ここではavexが日本向けに新たに仕立てたBPM144という高速ピコピコ(オクターブ飛び)のユーロビートがかけられた。

しかし、みんなで踊る、なんていうのが、どんくさくなって、バブルの終わりを告げるかのように、96年末の年越しで閉店。とんがった連中は、自分の好みの音楽に特化したライブやクラブの箱に。avexは、当時から声優づいていて、その後、アニメとのタイアップ曲を当てる。これが、東京ブギウギからの顛末。踊る日本の戦後の終わり。

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純丘曜彰 教授博士

大阪芸術大学 哲学教授

美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。

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