ガールズウォーカー、日本最大のケータイメディアへの道 第二回

2008.02.26

開発秘話

ガールズウォーカー、日本最大のケータイメディアへの道 第二回

INSIGHT NOW! 編集部
インサイトナウ株式会社

女性読者数700万人。ファッション&ビューティのNo.1ケータイメディア「ガールズウォーカー(GW)」。当初ケータイでの物販など狂気の沙汰といわれたサイトはいま、ケータイ通販のトップを突っ走る。その成功への道のりをゼイヴェル社担当プロデューサーの石倉氏に聞いた。

第二回
「ケータイ放送局を作れ」

■サイトがない、これはチャンスだ
ケータイがメディアとしてブレイクするキッカケはi-modeである。ここからケータイのネット接続が始まる。ただし当初はキャリア公式サイトしかない。そこで展開されるビジネスはたとえば着メロや待ち受け画像、占いなどのサービス提供だった。

「ケータイビジネスは公式サイトに独占されていました。今のように勝手サイトを作って情報発信にチャレンジするところはほとんどなかった。サイトを作っても検索システムが未整備だから、そこまでの導線がない。こうした状況を我々は絶好のチャンスだと考えたわけです」

ランチェスター戦略では、敵のいないところで戦うのがセオリーである。2000年当時のケータイを取り巻く状況を振り返れば、勝手サイトがほとんどないのだから、そこで勝負するのが理論的に正しい。勝算アリとみたゼイヴェルはケータイサイトを立ち上げた。後に会員数700万人規模のモンスターサイトとなるガールズウォーカー(GW)である。

同社はGWをケータイ放送局と呼んでいた。いろんなコンテンツを備えて、楽しみを提供するメディアである。放送局だから、そのチャンネルの一つで通販を扱ってもいい。

        ガールズショッピング:日本最大級のショッピングサイト→
                             

ただ勝手サイトはキャリアによる制約を一切受けない代わりに、公式サイトのような導線を与えられない。だから、よほど魅力的なコンテンツを持たない限りは、わざわざサイトまでたどり着いてもらえない。アクセスされないサイトなど、存在しないに等しい。どうすれば集客できるのか。

「まずターゲットを徹底的に絞り込みました。F1層です。約2兆円のテレビ広告費の半分以上が、この層に投じられていることを知っていたから、集客力がつけばまず広告メディアとして価値が出ると考えました」

F1層とは20歳から34歳までの女性のことだ。確かに可処分所得が最も多く、消費が最も活発なのがこのF1層である。

「女性は基本的にミーハーなので、ブランドスイッチのライフサイクルが非常に早い上に購買活動も活発。新しいものも積極的に受け入れてくれる」

冷静にターゲットを見すえた上でF1層に狙いを絞り込む。ゼイヴェル流クールなマーケティング戦略の真骨頂である。

■アーリーアダプターを狙え

マーケティングのセオリーは、STP(Segment Target Positioning)を定めること。ターゲットをF1に絞り込んだゼイヴェルは、GWのセグメントをファッション&ビューティに定める。

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