地方移住という働き方はありか?

画像: suki tamba

2018.02.12

組織・人材

地方移住という働き方はありか?

猪口 真
株式会社パトス 代表取締役

もはや国の一大事となった感もある「働き方改革」。 この働き方改革のひとつとしての手段が「都会から地方への移住」というライフスタイルだ。

現実に、そういう働き方を選択している、あるいは志向している人は増加していると感じる。特にクリエイターや文筆家といった、個人の力を発揮することで仕事が成り立つ人は、問題なくできるし、Yahoo!が地方に拠点を持つのは、こうした志向を推奨しているものと思われる。独立系のビジネスパーソンは、むしろ率先して行ってもいいのではないか。

インターネットによるコミュニケーションツールは、ここ10年、各段に進歩しており、かつて大きな設備投資が必要だったテレビ会議システムは、今はほとんど無料で行うことができる。

そのため、クリエイターでなくとも、通勤時間で往復2時間使うのであれば、その2時間を仕事に使うことで、ずっと効率的な仕事ができる人は多いはずだ。

副業が市民権を得た?

それでも多くの人が移住や二つの地域の居住を検討した場合、不安を感じるのは、収入の面だろう。

そこでもう一つの選択肢としてあるのが、「副業」だ。

これまでの日本企業では、副業というと隠れて行うイメージだったが、マイナンバー制度の影響もあり、かたち的にはすべてオープンになることになった。その影響かどうかは定かではないが、日本の大手企業の中にも、制限付きではあるものの、ヤフーやサイボウズなど、副業を認める方針を発表している。すでに企業としてどうかというよりも、国をあげての推進というべき状況だ。

「ランサーズ」が実施した「フリーランス実態調査2017」によれば、副業に取り組む人は確実に増えており、2016年から比較しても、10%増加の458万人もの副業者が存在するという。フリーランスという働き方を選択している人たちの中でも、特に増加しているらしく、副業をしてみたいという個人は73%も存在しているという。

しかし、現実には、地方に移住したあと、生活にギャップを感じてしまう人も多いだろう。主観だが、どちらかというと、都会から地方へ移りたいと考える人たちの傾向としては、自分自身の才能や能力の発揮のためというよりも、会社の人間関係のストレスや仕事のプレッシャーに対して、違う選択がないかと考えた結果のほうが多いと思われる。

しかし、現実の地方の生活圏では、より密度の高い人間関係が求められたり、それこそ仕事とプライベートの区分けなどなくなったりすることも多い。つまり、都会よりもより高度なコミュニケーション能力が必要なことも多く、逆に、自分の人生すべてをささげることも少なくない。

都心と地方。どちらにも良さがある。国は生産性向上の一環としての政策かもしれないが、これは、ビジネス上の「勝ち負け」の問題ではなく、ライフスタイルの問題だ。地域間の時間的距離は、ひと昔前に比べれば、感覚的には半分以下の近さだろうし、柔軟な選択ができる環境が整ってきたともいえる。一人ひとりがより充足感を感じる生き方をするために納得する選択をすればよい。

しかし、どのような働き方、生き方を選択しようが、都会を選択しようが地方を選択しようが、個人として選択した責任があることを忘れてはならない。

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