チーム意識 1 「なぜ、一体感が生まれないのか」/「指示」「命令」「報告」は諸悪の根源か?

画像: ITU Pictures

2015.09.01

組織・人材

チーム意識 1 「なぜ、一体感が生まれないのか」/「指示」「命令」「報告」は諸悪の根源か?

齋藤 秀樹
株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事

今回はチームを創る上での基本「チーム意識」について4回に渡ってお伝えします。本編は1話目になります。当たり前だと思われている現在のチームマネジメントの問題点をお伝えします。

結果、名前を言い終わるとリーダーの回答にもメンバーの回答にも同じ共通点がある
ことに気づくのです。

それは、リーダーの名前がどちらにも含まれていないのです。


よく「リーダーは孤独だ」という声を耳にしますが、そのはずです。
メンバーもリーダー本人でさえ、チームの一員だという意識が希薄なのです。

このことから階層や上下関係は、リーダーとメンバーの間に心理的な距離を創ることに
気づきます。


次にこのこれまでの日常的なマネジメント手法を考えてみましょう。
皆さんも馴染みの深い「指示」「命令」「報告」「連絡」「相談」です。

これらのマネジメント手法(以降、ツール)は階層構造の組織を円滑に動かすために
編み出されたものです。


このツールは、上位の従えるものが下位の従うものを効率的に動かすために有効です。
このツールを使った組織運営の特徴は、有能な指揮官が部隊(部下)に的確な命令を
与え、瞬時に部隊(部下)がその指示通りに動き、勝利を収める。
単純でスピード重視の組織運営に適したものです。

ただし、この組織運営が機能するためには下記の前提条件があります。

・上司にカリスマ性がある、乃至は部下からの絶大な信頼と人望があること
・部下は私情(自分の考え)を交えず、上司の指示通りに遂行すること

つまり、上司は部下にとって絶対的な存在であることが求められます。


戦国の世のように、このようなツールが機能していた時代も過去にはありました。
しかし、現代社会で何が起こっているか冷静に考えると、このツールだけに頼った
マネジメントの限界が見えてきます。

昨今、組織運営は揺らいでいます。増え続けるパワーハラスメントによる訴訟問題、
うつ病をはじめとするメンタルヘルスの問題による欠勤者の増大。
過度な指示、命令はメンバーに過大なストレスを与え、やらされ感を増大させ、
モチベーションを下げる効果があります。
さらに、メンバーとリーダーの信頼関係が希薄なら、その影響はもっと大きなものに
なります。


精神障害の原因は上司とのトラブルが圧倒的に多く、このようなトラブルが今後、
労働災害として扱われる可能性もあるのです。

上位者から下位者への一方的な指示、命令は、リーダーとメンバーの心理的な距離を
さらに広げていきます。最終的には「部外者」となるのです。
この部外者という言葉は実際にある企業で使われていたものです。
メンバーの仲間内でリーダーは「部外者」と呼ばれていました。

ここまで極端ではないにせよ、リーダーであるあなたはチームの中で部外者になって
いないでしょうか。

(次回、2話に続く)


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齋藤 秀樹

株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事

富士通、SIベンダー等において人事・人材開発部門の担当および人材開発部門責任者、事業会社の経営企画部門、KPMGコンサルティングの人事コンサルタントを経て、人材/組織開発コンサルタント。

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