非常時のマスコミの役割

2011.03.14

ライフ・ソーシャル

非常時のマスコミの役割

増沢 隆太
株式会社RMロンドンパートナーズ  東北大学特任教授/人事コンサルタント

未曽有の大災害に際し、冷静な対応をする国民に対し、マスコミは十分にその役割を自覚し、商売を一時中止してあたって欲しいと思います。

今回のような激甚災害にもかかわらず、懸命に復旧活動を行う皆様には本当に感謝を申し上げたく思います。
一方で連日の報道をされるマスコミの方々には、今一度、報道の役割を考えていただきたいと思うのです。

今はまだ激甚災害のさなか。センセーショナルな映像や、扇情的な、あるいは感動的なシーンは必要ありません。

ひっきりなしに入ってくるニュースを、恐々読み上げる女子アナの、その態度が、視聴者特に被災者の皆さんにどんな影響があるか考えているでしょうか。
今、国民が必要なものはエンターテインメントではありません。正しい情報であり、被害を少しでも低減する方法。二次災害を防ぐこと以外にありません。

きちんとニュースを読めないアナウンサーはマスコミに出ないで欲しいと思うし、また一秒を争う「速報性」など、今は全く不要です。東京電力や保安院の発表を一刻も早く伝えることは、今のマスコミの役目ではなく、視聴している人々にとって、役に立つ情報に整理して伝えることこそ必要なものです。

東京電力管内で停電が発生するのであれば、中途半端な情報を速報するのではなく、きちんと伝わるところまで整理して伝えなければ、パニックを助長するだけです。

コンビニやスーパーから食品が消えた!!と煽るのは、正にパニックを誘引しているだけです。マスコミの役目は、在庫や生産は十分にある。今、自分勝手な行動でマイカーでの移動などで交通渋滞さえなければ、配送はほどなく復旧するので「絶対に買いだめは止めよう!」というメッセージこそ必要なものです。

がらんどうのスーパーの棚を映して何を訴えたいのでしょう。
一刻も早く買い占めを助長したいのですか?スーパーやコンビニ各社に、きちんと取材をし、次の配送は道路状況、生産状況を見て、しっかり行われるということを何より伝えて下さい。

ツイッターでデマを拡散している馬鹿者に注意と警告を発し、パニックや無駄な疑心暗鬼をとににく防ぐこと。これ以外に今のマスコミに出来ることは無いと言えます。
電力を節約する必要があるなら、放送制作を中止し、ただちにNHKだけを各局放映するようにするくらいの存在意義を見せて欲しいと思いました。節電が必要なら、どんな節電が必要なのか、「節電」の一言で済ますのではなく、正に情報の正確性を望みます。

最後に被災者の皆さん、とにかく生きること。
生きて下さい。石にかじりついても生きること。
頼みます。
生きて入れば何とかなります。

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増沢 隆太

株式会社RMロンドンパートナーズ  東北大学特任教授/人事コンサルタント

芸能人から政治家まで、話題の謝罪会見のたびにテレビや新聞で、謝罪の専門家と呼ばれコメントしていますが、実はコミュニケーション専門家であり、人と組織の課題に取組むコンサルタントで大学教授です。 謝罪に限らず、企業や団体組織のあらゆる危機管理や危機対応コミュニケーションについて語っていきます。特に最近はハラスメント研修や講演で、民間企業だけでなく巨大官公庁などまで、幅広く呼ばれています。 大学や企業でコミュニケーション、キャリアに関する講演や個人カウンセリングも行っています。

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