組織で活躍する新人、若手人材を育成するには

2010.10.21

組織・人材

組織で活躍する新人、若手人材を育成するには

齋藤 秀樹
株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事

経産省から発表された「大学生の「社会人観」の把握と「社会人基礎力」の認知度向上実証に関する調査」 からも若手人材の育成の課題が浮き彫りになりました。 もう一過性の教育では人材は育たないのです。

いよいよ来期を見据えた新人の育成、若手人材の育成の企画に着手する時期になってきているかと思います。

企業の人事担当の皆さんや受け入れを担当される各部門の育成担当者の皆さんは、年々、その難易度が上がっていることに頭を悩ませているのではないでしょうか。

平成22年6月に経産省から

「大学生の「社会人観」の把握と「社会人基礎力」の認知度向上実証に関する調査」が報告されています。

その中で新人若手人材の育成の大きな課題が浮き彫りとなっています。下記が同調査で報告されて「ポイント」と企業の「若手ハイパフォーマーの共通能力」の抜粋です。

■ポイント

• 企業が「学生に求める能力要素」と、学生が「企業で求められていると考える能力要素」には大きな差異が見られる。

• 企業が学生に対し「主体性」「粘り強さ」「コミュニケーション能力」といった「社会人基礎力」に類する内面的な能力要素の不足を感じている一方、学生はそれらの能力要素への意識は低く、「自分は既に身につけている」と考える傾向が見られる。

• 学生は「語学力」「業界に関する専門知識」「簿記」「PCスキル」等の不足感を感じている一方、企業側はそれらの能力要素に対し特に不足感を感じていない。

■自社で活躍している若手人材(ハイパフォーマー)が共通して持っている能力は何か

1.コミュニケ-ション力
2.人柄(明るさ・素直さ等)
3.主体性
4.粘り強さ
5.チームワーク力

以上の事から推察されるように、企業側が真に欲しているのは、私達がこれまでも度々、話題としてきたDo(やり方や知識)ではなくBe(あり方や人間力)であることが分かります。

しかし、当事者である学生が企業や社会が求められている能力についての認識が低く、社会に出るまでにBeを向上させるような取り組みが余り行われていないということが現実なのです。

そして、残念な事にその傾向は年々増す一方です。このことが若手人材の育成にとって大きな障壁となっています。

そして、組織で活躍する若手人材を育成するためには、これまで社会に出るまでに育成されているべき社会人としても人材としても最も重要で「基本的な人間力」を入社後、早急に育成しなければならないという現実です。

そして、もう一つの側面として受け入れ側の課題である
・新人や若手を受け入れる受入側の指導者の人間力は充分なのか?
・また、育成できる指導者や育成環境があるのか?
という問題もクローズアップされています。

次のページもっとも重要な事は、若手人材である彼ら自身の変容を促す...

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齋藤 秀樹

株式会社アクションラーニングソリューションズ 代表取締役 一般社団法人日本チームビルディング協会 代表理事

富士通、SIベンダー等において人事・人材開発部門の担当および人材開発部門責任者、事業会社の経営企画部門、KPMGコンサルティングの人事コンサルタントを経て、人材/組織開発コンサルタント。

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