“新卒採用”は“営業なら当然こうする”に学べ。

画像: UC Davis College of Engineering

2015.07.15

組織・人材

“新卒採用”は“営業なら当然こうする”に学べ。

川口 雅裕
組織人事研究者 /NPO法人「老いの工学研究所」研究員/一般社団法人「人と組織の活性化研究会」世話人

営業ならどうするか?これが、新卒採用を上手にやるための大切な視点です。

営業で新しい商品を発売しようとするとき、「まず広告を打ってみよう」とはなりません。既顧客やお得意様に当たってみたり、紹介を依頼したり以前営業した人に改めてご案内をしたりするのが普通です。全く見ず知らずで紹介でもない人に営業するよりも既に信頼関係が出来ているので、買っていただける確率が高く、アプローチは無料ですのでこれは当然のことです。

同じ理屈により、新年度の新卒採用のスタートは内定者や社員の紹介、知り合いの学生や学生団体などから当たるのは当然です。そうすると、営業と同じく歩留まりは高くなって、広告で集めた学生は100人会って5人という確率が、数ポイント上がるでしょう。母集団は多ければ多いほうがいい、というのは誤りです。

営業で、見込み顧客に最初に商品を説明するとき、何十人も何百人も集めた説明会を行なうでしょうか。何もしなくても飛ぶように売れる商品か、群集心理を利用した作戦でもない限り、出来れば一人ひとり、営業マンの人数が足らない場合でも出来る限り少人数で、それもお客様との双方向のコミュニケーションがある形で行なうはずです。

新卒採用の説明会において大量動員型が結局は成果に結びつかない、一方的な長時間の会社説明が次の接触につながらないのは、これと違うことをやっているからです。流行のグループワークにしたって、一方的な説明では面白くないだろうから・・といった理由だけで実施しているのであれば、お客さんを遊ばせているのと同じですので似たような結果になります。

営業で、「ご契約は来月以降でないと受け付けられません」と言って買う気満々のお客様を待たせることはありません。また、「先月までで、ご契約は終了いたしました。」といって折角のお客様の申し出を断ることもありません。お客様の購入意欲の盛り上がりは人それぞれであって、その人に合わせて段取りやスケジュールが決まるのは当たり前のことです。

新卒採用では、面接・選考の日程はだいたいの場合、きちっと決まっていて学生がそれに合わせるのが普通になっていますが、これによって入社意欲が高まっている学生を逃がしてしまったり、待てばもしくは何回も会えば可能性が出てくる学生を落としてしまったりしていることはとても多いと思いますが、当然と言えます。

営業活動が成功したか否かを判断する際、営業コストがどれくらいかかったかは重要なポイントです。同じ売上を上げても、少ないコストでそれを達成した方が評価されるのと同じで、新卒採用でも採用費、1人当たりいくらをかけて採用するか、採用できたかを指標とするのは企業として当然のことです。

「人にはカネをかけないといけない」「カネをかけた方がいい人材が採れる」などと誰かに言われているのか、他部署と比べられることがないからか、予算があるから使ってしまえ・・なのか、多くの場合、人手が足らないことを理由にコスト感覚が全く感じられない採用企画・活動を見かけますが、人事部の傲慢と言うしかありません。新卒採用の活動を、より効果的にするには「営業ならどうするか」という視点で考えることが重要です。

(初回2010年8月2日掲載)

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川口 雅裕

組織人事研究者 /NPO法人「老いの工学研究所」研究員/一般社団法人「人と組織の活性化研究会」世話人

組織人事関連(マネジメント・リーダシップ・人材育成・採用)や、高齢者・高齢社会をテーマとした講演を行っています。

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