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株式上場する企業がなくなる日

洲崎 智広
株式会社アイ・コーリング 取締役社長
洲崎 智広/経営戦略
3.8
727
2009年10月21日 01:05

IPO(株式公開)を目指す企業が激減した。サブプライム問題、リーマンショック、内部統制の導入、企業を取り巻く経済環境がめまぐるしく動く中で、株式市場はどこにいくのか。

今年株式公開を果たした企業は、10月20日時点で、16社。
今年もあと2ヶ月を残すところでだ。
ちなみに、2006年は188社、2007年は、121社、
2008年は49社で、今年20社未満である。

異常なまでの株式公開社数の激減である。

もちろん、大きな要因は経済環境の悪化であることは事実だが
株式公開を目指す、ベンチャー企業市場といのは、ある種
景気に左右されずに独自に成長路線を進む企業の集まりである。
また、次世代の経済価値を生むであろう企業に資本というドライブをつけて
成長させていく役割が本来、東証マザーズ、大証ヘラクレスに
あったはずである。それが有名無実化した。

一方で、上場を取り消す企業も増加している。
TOB、MBOによる上場廃止企業は、今年は現時点で29社。
企業によって、理由はさまざであろうが、恐らく簡単で言えば
上場に対するメリットがないのである。

株価が低迷し、内部統制などの規則による間接コスト増、経済
環境の悪化による業績の低迷、踏んだり蹴ったりの状態の中、
十分な株主への還元もできず、また、敢えてここで短期の利益
を見込まず、長期的視点から、健全な投資(赤字)を出すにも、
財務状況からも、株主の圧力からもできないとすれば、当然の帰結といえる。

以前、東京証券取引所が、自身の株式公開を検討していたが
「現在の株式市場の悪化」から、延期となった。
株式市場は、あなたがた、取引所そのものではないか。
自己否定のコメントを出す市場に、誰が魅力を感じえようか。

そのうち、景気もよくなるからそれからでも良い、なんて悠長なこと
言っている場合であろうか。

今や、証券取引所に上場する意味は、本当にあるのだろうか。

取引所が、この経済環境下においても、なおも、成長企業
促す方法を明確に示し、例えば、上場コストを軽減する方法なり
そもそもの上場基準のバーを下げる方向なり、示すべきである。
あるいは、多産多死を奨励し、入るのはたやすいが、ある一定基準を
満たさなくなった場合には、容赦なく退場してもらうルール作りなど
シンプル、具体的に明示すべきである。

でなければ、株式上場する企業はなくなるであろう。
既存の上場している企業も、主体的に上場をやめるであろう。

それは未来の日本経済に暗い影を落とすことは間違いない。
今の大企業が、しっかり税金を落としていけば、安泰などという
妄想は起こすことなかれ。
次世代の経済価値を創生する企業を、どんどん輩出してく環境が
なければ、日本は確実に衰退の一途ではないか、と考える。次の
ソニーやホンダが生まれない土壌というのは、あまりに悲しい。

中国版ナスダック市場ができた。これによる最初の数十社の
調達金額は、2000億円といわれている。

いっそのこと、日本ベンチャー企業は、海外で上場して
資金調達したほうが、もしかするとメリットあるかもしれない。

大陸(中国韓国)の企業は、国を超えることに何ら抵抗感がない。
商売とあらば、あるいは資金が供給されるとあらば、どこでも行く用意がある。
小さいベンチャー企業でさえも、である。
事実、中国韓国企業が、米国ナスダック市場に進出する例は
よく散見される。

今度はその市場を中国が担おうとしている。
活路を見出すとすれば、次は海外かもしれない。
株式上場は、何も日本国内がすべてではない、という時代に来ているのかも
しれない。









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