将棋に学ぶタイムマネジメント

2009.07.28

組織・人材

将棋に学ぶタイムマネジメント

川口 雅裕
組織人事研究者 /NPO法人「老いの工学研究所」研究員/一般社団法人「人と組織の活性化研究会」世話人

タイムマネジメントの本質は、重要な課題や効果的な業務に時間を使うことと、自分の人生を豊かにするために時間を使うこと。

時間管理は、将棋においてもとっても大切で、時に時間の使い方が勝負を分けてしまうこともあります。将棋専門紙やTVの解説を見聞きしておりますと、プロ棋士の時間管理のポイントは、次の3つにあるようです。

一つは、時間を使わないためには「準備や研究が大切」ということ。他の棋士が指したことを知っていてそれを既に研究している、その場面を想定して準備してきたという状態と、初めて出くわす場面について考えるのでは、使う時間に大きな差がつきます。知っているのだから時間を使わなくても、確認程度で済むので早い対応ができます。知識の力で時間を節約し、大切なところだけでじっくりと腰を落として考えることができます。

二つ目は、「そうはならない」という前提を持つこと。プロ棋士というのは、読もうと思えば、極端に言うといくらでも読めるそうです。だからと言って、読んでいると時間が減ってきます。そこで大切なのは、「いくら読んだって、相手のあることなのでその通りにはならない」と考えて、読むのを止めることが重要なのだそうです。深く読むよりも、どこで読むのを止めるかが大事。相手がそう指さなかったら読んだ時間は意味がない訳で、完璧に読もうとすることは、時間が減った分、かえってリスクになります。

三つ目は、「相手よりも多く時間を残しておく」ということ。最初は、時間が二人に平等に与えられています。考えれば考えるほど減っていくわけですが、最初の構想、計画段階で考えすぎると時間を使いすぎてしまって、終盤になって時間がないために間違うことが(プロでも)あります。将棋は、終盤になればなるほど一手の価値が高くなると言われているので、時間の無さが致命傷になることもあるわけです。だから、大事なところで相手より多く考えることができるように時間を残しておくのがポイントだそうです。

・知識の力で、時間を節約する。
・完璧を目指したり、考えすぎたりして、時間を浪費しない。
・重要なプロセスに、時間を使えるようにしておく。

これらは、いずれもビジネスの時間管理術に通じるところがあります。経験や学びを蓄積・共有することにより短時間で準備ができる、考えすぎや完璧主義を廃し、時間を切って仕事を仕上げるようにする、結果として本当に重要な課題に十分に時間を使うことができるようになるということです。

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川口 雅裕

組織人事研究者 /NPO法人「老いの工学研究所」研究員/一般社団法人「人と組織の活性化研究会」世話人

組織人事関連(マネジメント・リーダシップ・人材育成・採用)や、高齢者・高齢社会をテーマとした講演を行っています。

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