「狩猟型ビジネス」から「農耕型ビジネス」へ

2009.06.21

経営・マネジメント

「狩猟型ビジネス」から「農耕型ビジネス」へ

菊池 功

「狩猟型ビジネス」から「農耕型ビジネス」へ

私のビジネスの思想の根底にあるのは
『農耕型』という概念。

その反意語である「狩猟型」とは、

ヤリを持って必死で獲物を追いかけるスタイル、
空腹になれば武器を持って目の前の獲物を仕留めるというスタイル、
そして、小さな獲物よりも大きな獲物をより追いかけるというスタイル、
目の前の獲物だけに目が行ってしまうスタイル、のこと。

そこには、
どうしても短期的・直線的にすぐに結果を出そうとする考え方がある。

  商品を作っては作りっ放し、
  売っては売りっ放し、
  新しい顧客を開拓しては逃げられ、
  また、新しい顧客を追い求める、
  そして、また逃げられ・・・・・、
  それの繰り返し・・・・・。
  すべては場当たり、間に合わせ・・・・

このような「狩猟型」の考え方では、正直、しんどい。

これに対して、『農耕型』はこれと異なるスタイルである。

日本古来、昔ながらの自然界のルールに沿った自然農法に準じた考え方である。

(ただし、現代の農薬・化学肥料に依存した農法のことではない。
また、焼き払ったら後は移動する、というような焼き畑農業でもない。)

『農耕型』では、まず、土壌をしっかりと耕す。

良い作物を作る為には、まずは土作りが必要と言われる。
手間ヒマかけて良い土壌を作っていく必要がある。

土壌をしっかりと耕し、ふかふかとした柔軟性のあるやわらかい土、
生きた土を作ることが大事。

日本古来の自然農法に従えば、良い土壌からは毎年毎年継続して、
豊かな実、良い収穫を上げることが出来るもの。

今年よりも来年、来年よりも再来年の方がより熟成されていくようになる。
そして、形は悪いかもしれないが、栄養満点の作物が育つだろう。

そこには、短期的・直線的・促成的に結果を出そうというよりは、
中長期的に継続して結果を蓄積していこうとする考え方がある。

ビジネスの世界ならば、
「土壌」とは「商品」、あるいは、「顧客」、
「土壌作り」とは「商品作り」、あるいは、「顧客作り」
と思ってもらえれば良いだろう。

つまり、
「土壌をしっかりと耕す」ということは、

「顧客をじっくりと開拓していく」、あるいは、
「商品をじっくりと作り出していく」ということになる。

そして、

「土壌」(顧客・商品)をじっくりと耕していった結果が
「収穫」(売上)になるのである。

決して場当たり的な「やっつけ仕事」の連続になってはいけない。

『農耕型』・・・

見掛けだけの短期的促成的な結果を追い求めるのではなく、
中長期的に継続的に結果が蓄積されていくような、
そういう仕事を私はしていきたい。

「何をするか?」も大事だが、
「どんなスタイルなのか?どんな考え方でやっていくのか?」
の方がもっと大事なことのような気がする。

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