会社員や主婦が、月に50~60万円もピクスタで写真を売る!

デジタルカメラで風景や人物を撮影し、そのままインターネットで販売できたらどうでしょうか。 腕に覚えのあるカメラ好きの方、良質の写真を安価で買いたいウェブ制作会社の社長やコンサルタント、出版社にお勤めの皆様へ。(第1回 『ベンチャー企業のビジネスモデル』)

例えば、写真好きの主婦が、夏休みの家族旅行や子供の成長、あるいは草木や風景を写真に撮ったとする。現在はその写真を家族や親類、友人に見せるだけでなく、インターネット上でより多くの人々に公開することも可能である。実際、写真を日記風にどんどん掲載できる『Flickr』、『Photobucket』、『Zooomr』といった巨大な写真共有サイトが存在し、世界中でサービスを提供している。

しかし、もし「閲覧」だけでなく、撮った写真をその場で「販売」できたらどうだろう?それが実現できるのが、今回ご紹介するオンボード社の『PIXTA(ピクスタ)』というサイトである。『PIXTA』は国内最大規模の写真販売サイトであり、2006年5月のサイト開設以来、既に45万点ものクオリティの高い写真が掲載されている。カメラマンはアマチュア、ハイアマチュアを中心に約1万名が登録。中にはプロのカメラマンも登録している。写真の買い手は、大手出版社や広告代理店、印刷会社、ウェブ制作会社、デザイナーなど、実に多彩である。これは「マイクロストックフォト」と呼ばれる事業領域であり、『PIXTA』では500円から5,000円という低価格で写真が販売されている。

『PIXTA』の事業モデル上の優位性は多数あるが、まず写真は「一瞬」で生産できる商品ということである。機材の費用や撮影時間以外、製造原価も限りなくゼロに近い。また、当然ながら写真は「非言語」の表現手段であるため、国境を越えて流通させることが十分に可能である。さらに、昨今のような経済情勢を背景に、副収入を求める個人は一層増えるだろう。実際に、『PIXTA』では会社員や主婦などアマチュアの人たちが、月に10万円、20万円※の売上をあげている(驚くべきことに海外では、インターネットで年間2,000万円も写真を販売している人が存在しており、マイクロストックフォトの市場拡大はめざましい)。写真を購入する企業も、従来よりもコストを削減していくことが予想されるので、価格面でも時代環境にマッチしている。こうした点が評価され、楽天、エキサイトとも良い提携を結ぶことができた。

インターネットは、より多くの個人/法人と、より多くの個人/法人とを結びつけることに向いており、一つひとつの取引は小さくとも、その総和が高い収益を実現する。いわゆるロングテールということだが、それは、現時点では必ずしもハイタレントではない(今はまだ完全には才能を世に認められていない)無数の個人/法人の個性や才能の集積だと言い換えることもできる。たくさんのインターネットビジネスを見ていると、ロングテールとは個性や才能の登龍門ではないか、と思えてくる。

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