日本初:ヨセミテがネット公共サービスに取り組むワケ(津田全泰)1

2009.01.13

開発秘話

日本初:ヨセミテがネット公共サービスに取り組むワケ(津田全泰)1

INSIGHT NOW! 編集部
インサイトナウ株式会社

ありそうでなかったのが公共サービスでのネット活用。法や規制があるため自由競争のメカニズムが働きにくい分野で、あえて勝負を賭けるのがヨセミテだ。旅行者のための画期的なサービスサイト『フォートラベル』を立ち上げ、新たなステップに踏み出す津田全泰社長のビジョンに迫る。

第1回 
「デジタルネイティブの考え方」

■起業するための楽天入社

「僕は楽天8番目の社員でした」

津田氏は1976年生まれ、いわゆる「76世代」でありデジタルネイティブでもある。大学に入った頃にはすでにインターネットが普及済みで、ネットの力と可能性に十代から魅せられた人たちの一人だ。

「学生時代には短期でしたがスタンフォードに語学留学もしました。シリコンバレーの空気に早いうちに触れたことは、素晴らしい刺激になりましたね。将来、必ずネットで起業しよう。そんな思いがいつしか自分の中で固まっていたのです」

そう語る津田氏だが、がつがつしたアグレッシブさはまったく感じない。自らを称して『ひつじ系の人間』、どこまでも穏やかな自然体だ。

▼スタンフォード留学時代
二十歳前後の感受性豊かな時期に、シリコンバレーの生の空気に触れたことが
津田社長に大きな影響を与えた。

「就職を考えたとき見つけたネット企業が2社、ヤフーと楽天です。ヤフーは当時ソフトバンクの子会社で社員が50人ぐらい、楽天にいたっては社員がまだ7人しかいない。迷わずに楽天を選びましたね」

就職するなら少しでも規模の大きい企業、なぜならその方が安定しているからと考えるのが普通だ。しかし、将来の起業を最初から視野に入れている若者はまったく異なる視点を持っていた。人数が少なければ、一人が果たすべき役割は増える。しかも、これから伸びて行こうというネットベンチャーだ。ヤル気さえあれば、会社組織のあらゆるポジションを経験できるはずだと考える。デジタルネイティブは就職観からして以前の世代とはまったく違う。

「実際、楽天ではいろんなことをやらせてもらいました。メインの楽天市場に関わり、後には楽天トラベルの立ち上げを任せてもらった。この経験がフォートラベル起業につながるわけですが、何より楽天で学んだのは、ネットが秘めているエンパワーメント力ですね」

楽天の革命性は、ビジネスの世界で下克上を活性化したことにある。資本力のある企業にしかできなかった全国相手の通販が、わずか5万円の初期投資で可能になった。ネットを活用すれば資本力の差は解消され、アイデア勝負に持ち込める。

「これってBのフラット化だと思うのです。だったら、ネットを使えばCつまりコンシューマーをエンパワーメントすることもできるじゃないかって。この気づきが僕には極めて貴重な原体験となりました」
     
■起業時の二つの目標

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