​不登校不出社は「ウェイ!」よりはまともかも

2024.04.07

ライフ・ソーシャル

​不登校不出社は「ウェイ!」よりはまともかも

純丘曜彰 教授博士
大阪芸術大学 哲学教授

/日本中、不登校不出社だらけ。しかし、それは、何しに来ているのだかわからない「ウェイ!」に学校や会社が乗っ取られてしまったからではなかろうか。連中は、勉強しよう、仕事しよう、という人を、付き合いが悪い、などと言って排除して、みんなで一律で勉強しない、働かない。/

たしかに戦後日本は、賑わいと盛り上がりの勢いで、一気に復興を成し遂げた。そして、いまだに、なにかというと、すぐイベント。学校も会社、政治や経済も、改革、改革、改革。そして、その打ち合わせ、親睦、決起のために、経費で落とした飲み会。こういう年柄年中ハイテンションな「ウェイ!」は、スナック菓子やファストフード、ビールや焼き肉のような高カロリー高脂肪の飲食物ばかり摂取しすぎた結果の、一種の喰い過ぎ脳性中毒ではなかろうか。

だが、これから日本は、少子高齢化で国力が落ちていく。国土の維持もままならず、災害も増えるだろう。ところが、「ウェイ!」でのし上がった政治家や財界人は、いまだに鉢巻きを締め、タスキを掛けて、よし、こんな問題も、インバウンドに奴隷移民増大、そのイベントと改革、復興で盛り上げて、賑わいを取り戻そう! さあ、全員野球、オールニッポンで一致団結だ! などと言う。そして、「落ちこぼれ」の「脱落者」が続出して、「ウェイ!」は、よけい周囲に当たり散らす。

不登校不出社になるのと同様、いったん身を引き、頭を冷やして、根本を見つめ直す、まともな理性が無いのだろうか。もちろん、べつに不登校不出社だからといって、みんながみんなギフテッドなわけがない。だが、ただ勢いだけで、だれも責任を取らず、過去も反省せず、破滅玉砕に「適応」して突き進んでいく「ウェイ!」たちよりは、ずっとまともだ。とはいえ、なにをしにきているのかよくわからない激烈な「ウェイ!」連中を追い出して、学校や会社を自分たちの手に取り戻そう、なんて、そんなテンションの高いことができるくらいなら、不登校不出社になんかなっていない。

しかし、もう数百万人も「不適応」がいるなら、既存の学校や会社、国会や財界はもう盛り上がっている「ウェイ!」たちにくれてやって、別のところにもっと落ち着いた、静かに勉強や仕事ができる学校や会社、冷静で安定した政治や経済を新たに創れないものだろうか。そのほうが話が早いかもしれない。とはいえ、さあ、全国の低血圧者諸君、立ち上がれ! などというと、みんな立ちくらみで倒れ込みそうだが。

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純丘曜彰 教授博士

大阪芸術大学 哲学教授

美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。

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